学校現場で防ぎきれない給食アレルギー事故「ヒヤリ・ハット」日常茶飯事

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

大阪・狭山市「小麦・牛乳から米粉・豆乳」に切り替え

   藤田保健衛生大の宇理須厚雄教授が給食現場での「ヒヤリ・ハット」の事例を説明した。「調味料を変えたら異物が入っていた」「担任以外に情報が共有されてなかった」など、ヒューマンエラーばかりだ。これをどう克服するか。2つの小学校の試みがあった。

   大阪・狭山市の給食センターは5400人分を調理する。ハヤシライスの小麦粉と麦メシを米粉と白米に代えた。クリームシチューの牛乳を豆乳にする。6種類のアレルギーを持つ小学3年の女児のためだ。女児は弁当だったのが、いまは週に3日は級友と同じものを食べている。除去食、代替食はコストも手間もかかるが続けている。

   伊勢市の城田小では400人分を3人で作る。すべてのアレルギー児に対応できない。そこで保護者に協力を求めた。6つのアレルギーを持つ6年生の女児は、食べられない給食のときはそれに似たものを母親が弁当に作る。子どもたちも彼女のアレルギーをわかっている。ホットケーキの調理実習では、小麦粉を米粉にしようと提案が出た。みんなで考える。いじめや仲間はずれはない。

   キャスターの国谷裕子が「すばらしい食育」といった。宇理須教授も「ともに助け合って生きていくというのは大きな教育です。教師も『ヒヤリ・ハット』を具体的なマニュアルにし、危機に対処する訓練もしてほしい」という。

   気になるのはみな対処法だということだ。いま小中高生の3%、33万人が食物アレルギーをもつそうだ。なんでそんなことになったのか。空気を水を食物を人間が蝕んだ結果ではないか。もとを断たないといけないだろう。

ヤンヤン

NHKクローズアップ現代(2013年2月21日放送「続発するアレルギー事故 学校給食で何が?」)

姉妹サイト