アベノミクス3本目の矢「成長戦略」につながるか?1発勝負の綱渡り

富士フイルムが開発した糖の吸収を抑えるサプリが500円+税で

   長くて暗かったトンネルの出口が近づきつつあるのか。まだ出口の光が見えないのに、そんな期待感から円安が進展し株価が上昇している。キッカケとなったのはアベノミクス。「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」を3本の矢に見立ててデフレ脱却を目指している。

   ただ、本当にデフレ脱却をはたし、新たな日本経済の絵姿が見えてくるのはまだ先だ。金融緩和と財政出動という2本の矢から、3本目の矢である成長戦略へどう繋ぐか、それができたうえでの話である。

   円安に伴い新たな課題もでてきている。高騰している原油などの輸入価格が円安でさらに上昇し、海外から調達している部品も割高になりつつある。新たな経済政策で日本経済は再生できるのか。

輸出企業も「にわか円安」半信半疑…為替に左右されたくない

   昨年末(2012年)まで1ドル=80円台で推移していた円相場は、この3か月間に13円円安に振れ、日経平均株価も8000円台から1万1000円を超える水準に回復した。輸出企業にとっては大変な追い風で、資産価値の上昇で消費が回復する動きも出始めている。期待先行で始まった円安が輸出企業に何をもたらしているのか。

   米ニュジャージー州にある富士重工業(本社・東京)の販売店では、スバルの乗用車を25000ドルで販売してきた。昨年11月までは1ドル=80円換算で200万円だったが、今年2月(2013年)は1ドル=93円換算で232万円と32万円の売り上げ増加になった。この結果、今年度の富士重工業全体の円安差益は233億円にのぼると見込まれている。もともと車の7割を輸出に依存し、円高では利益の出にくい構造だった。

   一方、円安が進んでも海外生産の方針を変えない企業もある。自動車の変速機を生産する大手部品メーカーのジャトコ(本社・静岡県富士市)は、海外生産の割合を現在の2割から6年後には7割に増やす計画だ。現在、メキシコと中国で現地生産しているが、タイにも生産拠点を作り、メキシコには新工場を建設するという。その理由について、「為替に左右されない強い体質を作らないといけないということであれば現地での地産地消が第一だ」と説明する。

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