TPP交渉への参加問題を抱えながら安倍首相が日本時間22日朝(2013年2月)、ワシントン入りした。出発前に安倍は「揺らいでいた日米同盟の絆が戻ったことを内外に示す首脳会談にしたい」と意欲を示す一方で、焦点のTPPについては「聖域なき関税撤廃を前提としている以上は参加しないということは国民との約束です」と語った。
さて、日米首脳会談でオバマ大統領から「聖域をつくる」という言質を取ることができるかどうか。
双方が勝手に主張して結論出さず
TPPをめぐっては、アメリカ側が「早く交渉に参加しテーブルについて欲しい」と求めているのに対し、日本側は「聖域を認める約束をして欲しい。そうしたらテーブルに着きましょう」と、スタンスに大きな隔たりがある。
キャスターの小倉智昭「安倍さんがこう(聖域を認めてと)言ったら、オバマさんどういう反応を示すか興味ありますね」
「ワシントン・ポスト」紙の極東総局記者の経験がある石澤靖治(学習院女子大学長)はこう説明する。「多分、言ったとのか言わなかったのかが微妙なニュアンスで伝わる話になると思います。これが本当の首脳会談。安倍さんからすると『聖域はあるんだ、言質を取った』となり、オバマさんは米国内向けに『そういうことは言っていない』という形になると思います。
これまでの数々の交渉を見ても、微妙なところでお互いわかりあうという形なるのでは。現時点で共同記者会見の予定はないということですから、個別に会見するでしょう。食い違いが出てくるはずです」
外交にはすべて裏がある
小倉「例外を認めることはそんなに難しいですかね」
石澤「最初から例外を認めるようなことは、オバマさんが言うはずがない。それによって全部の交渉がダメになってしまいますから。ただ、ロン・カーク米通商代表は『場合によっては激しい交渉もあり得るんだ』という発言をしており、交渉の余地がないわけではないことを匂わせてます。それが一つのメッセージなのではないか」
首脳会談は日本時間23日未明(現地時間22日昼)、ホワイトハウスで行われる。