週刊誌なぜつまらない?「編集者が遊ばない、人と会わない」(花田紀凱『Will』編集長)
「郷さんが泊まっていたのはとても広い部屋で、ツインルームだと思っていたら、扉の先に、さらにもう一つ大きなベッドルームがあった。
郷さんは、ガウンの下は素肌で、柄の入ったお洒落なボクサーパンツが印象的だったそうです。
郷さんが、ベッドにうつぶせになったから、ひとみが肩や腰をほぐしていると『気持ちいい~』って言うんだけど、マッサージは二、三分したらもう終わり。そのまま自然に寝かされて‥‥。二人ともシャワーを浴びていなかったから、彼女はエッ? と驚いたそうです。いつの間にかスルスルと服を脱がされ、キスされたと。
郷さんてテレビで見るとすごく若く見えるけど、キスのときに口を突き出すクセがあって、そのとき顔に皺が何本も現れるそうなんです。
それに上半身は凄く鍛えているのに、下半身はあまり筋肉がついておらず、おじいちゃんのようだったと。(中略)
でも、加齢臭とかは全然ない。避妊はきっちりしていて、知らないうちにどこからか黒いコンドームを取り出して付けていたと言ってました」
いきなり郷ひろみの浮気話から入るご無礼をお許し頂きたい。それぐらい今週の週刊誌に見るべきものがないのだ。
昨夜(2013年2月20日)、都内某所で花田紀凱『Will』編集長と話したが、二人とも共通していたのは「最近の週刊誌はつまらない」ということだった。
彼は読者に面白い記事を届けようという気概がないという。私は週刊誌がずっと批判してきた新聞の横並び記事作りが週刊誌にまで及んで、中国批判、アベノミクスなど、どれをとっても金太郎飴のような記事作りになったことが問題だと話した。若い編集者に会って聞くと、一様に「おもしろいものが見つからない」と嘆くのだが、面白いことなどいたる所にあるではないか。
われわれの時代といういい方はしたくないが、自分がおもしろいと思うこと、自分がこの人間に会ってみたい、そういう企画しか出さなかった。編集者がおもしろいと思うことを読者もおもしろいと感じてくれた幸せな時代だったとはいえ、花田編集長は今の編集者は遊ばない、人と会わないと難じ、編集者の一番おもしろいのは遊んでいることがみんな仕事になるところだというのだ。まったく同感。今の読者が何を知りたがっているのか、どういう情報が載っていれば雑誌を買ってくれるのか、もっと真剣に考えてもらいたい。
その結果、今週のトップには『週刊文春』の「郷ひろみ不倫発覚!『顔は若いのに下半身は‥‥』」を持ってこざるを得なかったのだ。
「年の差婚」婚約中にもう不倫「やること済んだらお茶も出さずサヨナラ」
それにしても女性が好きな男である。1998年に二谷友里恵と離婚発表したとき、郷が『ダディ』という本を出し、赤裸々な不倫告白をしたことが話題になった。「友里恵以外の数人の女性と、肉体関係を持ったのだ」と書いたが、友里恵から「数人」の間に「十」も「百」も入っていない? と皮肉られた。
私が『週刊現代』編集長時代、ヒット企画に「衝撃の告白」というシリーズがあった。本来はそれなりの女優やタレントが男とのベッドの上での話をするというものだが、そうした女優やタレントがそう多くいるわけではない。そこで考えた編集部員は、六本木などのキャバクラへ出撃し、そこの可愛い女の子たちを手なずけ…、もとい、取材先としてコネを付け、彼女たちが付き合った芸能人たちとの「寝物語」を聞いてまとめたのだが、これが大評判になった。
合計すれば100回以上もやったが、その中でたしか3回ほど登場したのが郷ひろみだった。最多登場でトロフィーでもあげたいくらいだった。自宅に連れて行って、妻・友里恵の寝室でコトをいたしたという女性の告白もあったように記憶している。
今回の浮気は時期がまずかった。ふた回り下の元OL利奈と3度目の華燭の典を挙げたのが1月19日。主賓の挨拶では「アチチな家庭を築いてください!」という言葉もあったようだが、新婦との婚約中に今回の不倫が進んでいたのではアチチというのは新妻のほうであろう。
ひとみというのは仮名で、「けっきょく、自分がやりたいときに呼ぶだけ。気が済んだらお茶も出さずにサヨナラです」と怒っているが、そんなのは当たり前ではないのか。読む限り、郷が愛情を持って彼女と付き合っていたとは思えないし、そこが新妻には救いだろうが、この男の女好きはもはや病だと諦めるしかないのではないか。
PM2・5なんてものの数じゃないよ!いまだ漏れ続ける福島原発放射能汚染
今週も中国人民解放軍が沖縄を乗っ取る作戦をしている(週刊文春)とか、文春と『週刊朝日』が北朝鮮から核ミサイルが飛来するときのシミュレーションをやっている。こうしたことが万が一にも起こらないとはいえないが、いたずらに不安を煽るだけにならないだろうか。
中国から「殺人スモッグ」PM2・5が襲来するとテレビも騒いでいるが、もっと深刻なことを日本人は忘れてしまったのではないか。それは福島第一原発事故でいまだに漏れ出ている放射能汚染のことである。『朝日新聞』が2月21日付朝刊でこう報じている。
「放射線が廃炉作業を阻み、放射能汚染水だけが増え続けていた。20日、朝日新聞記者が原子力規制庁の検査官に同行し、まもなく事故から2年がたつ東京電力福島第一原発の内部をみた。廃炉作業が完了するのは2050年ごろ。気の遠くなる作業は始まったばかりだ。(中略)原子炉建屋内部の放射線量は毎時20~100ミリシーベルト。人が容易に近づけない。
同じく炉心溶融事故を起こした1、2号機の周りを車で回った。放射線量が低い場所を選んだが、それでも2号機タービン建屋東側で、線量計は700マイクロシーベルトを表示した」
先日、事故発生直後に民主党の事故対応の中枢・統合本部のプロジェクトリーダーだった馬淵澄夫議員に話を聞く機会があった。馬淵議員は私に事故発生当時のような深刻な危機は去ったがといって、こう続けた。
「当時から比較すれば危機は去ったというふうに申し上げられる。ただ、根本的な問題は何ら解決していません。事故の原因について、これは国会事故調も民間事故調もいっしょですが、最終的に事故原因の特定がなされていない。なぜなら、いまだに原子炉内の状況が掴めないし近寄ることすらできないからです」
こんな状態にあるにもかかわらず、中国からのスモッグに目をとられていては、自民党の原発推進派や東電の思う壺ではないか。
あふれ始めた「放射性牛糞」10トントラック1万台分!東電は知らん顔
週刊朝日に「東電が放置する放射性『牛糞』」という記事がある。国が牛糞堆肥や稲藁に含まれる放射性セシウムの暫定基準を定めたのは、事故から5か月後だった。それにより1キロ当たり400ベクレルを超えたものは使用も出荷もできなくなった。福島県が実施した牛糞堆肥のセシウム検査によると、調査対象の約25%が400ベクレルを超えたが、残りの牛糞の引き取り手も皆無だという。
牛糞のたまるスピードは極めて速い。「成牛では、1日10キロの餌を食べて9キロの糞を出します。つまり、10キロ食べて1キロ太る。経済効率を考えると、非常に分の悪い動物です」といわき市内の牧場主が話している。
そうして県内にたまった汚染堆肥は10数万トンもあり、焼却処分も場所が決まらず、畜産農家の空き地に保管するしかないそうだ。実に10トントラックで1万台分以上になるというのだ。牛舎にたまった牛糞で身動きがとれなくなった牛が窒息死するという信じがたいことも起きているという。
当然ながら、こうした原発事故を起こした東京電力や自治体に廃業補償や休業補償を求めているが、何度回答を求めても「本店からの返事がなく、まだ回答はできません」というばかり。国と東電を相手に福島原発事故の民事責任を問う原告団を立ち上げた馬奈木厳太郎弁護士はこう語る。
「東電は当初、賠償請求書をそのまま被災者に送り返していました。私たちが経済産業省や文部科学省などに東電の態度を是正させるよう申し入れたところ、ようやく請求書を受け取るようになりましたが、返事をまったくしない放置状態がいつまでも続いている。非常に対応が遅いのです」
弁護士先生はいい方が上品だが、要は東電も自治体も何もする気がないということではないのか。
もうすぐ東日本大震災、福島第一原発事故から2年になる。たった2年しか経たないのに、アベノミクスに浮かれ、中国への憎悪を煽り、震災や放射能問題は東北の人たちへ押し付けている構図は、沖縄と同じではないか。週刊誌よ! もっと大事なことに誌面を割け。
「日銀総裁」最有力は竹中平蔵だって!?まあ、本命外れて穴馬がというのが相場
『週刊新潮』は今週もワイドばかりで読むところがない。中で少し気になった細切れ記事をピックアップしてみよう。「日銀人事『竹中』なら100円『武藤』なら90円」。2月15日に英国のロイター通信が「日銀総裁は最終局面、武藤氏を中心に絞り込み進む」というニュースを配信したそうだ。武藤敏郎は元財務省次官で、財政規律を重視する財務官僚OB。彼が日銀総裁になればアベノミクスを骨抜きにしてしまうかもしれないというのだ。
その他にも、岩田一政日本経済研究センター理事長、岩田規久男学習院大学教授、伊藤隆敏東大大学院教授、黒田東彦アジア開発銀行総裁などの名前が挙がっているが、インパクトのあるのは竹中平蔵だというのだ。インフレターゲットの最高理論者で、彼が総裁になったら一気に1ドル100円台になると見る経済部記者がいる。白川方明総裁のときもそうだったが、本命は政治的駆け引きでなれず、穴馬的な人物が総裁に選ばれるのではないか。竹中だけはやめたほうがいいと思うがね。
少年野球のエース桑田真澄が監督の父親から受けた凄まじい体罰いまだにトラウマ
体罰反対の旗手・桑田真澄が受けていた心的外傷は父親から受けた体罰だったと週刊新潮が書いている。大阪の少年野球チーム「八尾フレンド」でめきめき頭角を現した桑田を毎日殴り続けていたのは、監督だった父親・泰次だった。彼の著書『野球バカ』にこんな記述がある。
「私は真澄しか殴らなかった。(中略)見せしめとして真澄の顔を平手でたたいた。翌日になると顔が腫れてきて、紅葉のように手の形がくっきりと浮き出てくる」
桑田の実弟は、昔は体罰が当たり前で気にしていない。子どもの頃に受けた体罰にも少しはよいところがあった、厳しく鍛えられたおかげで我慢強い大人になれたと語っている。スポーツ紙のベテラン記者は「泰次さんがいなかったら、大投手になれなかったはずですから。彼は母親と離婚したことで、未だに父親を認めたくないのでしょう」と話している。
幼い頃の貧しかった生活と父親の体罰が、今も桑田のトラウマになっているのだろうか。