あふれ始めた「放射性牛糞」10トントラック1万台分!東電は知らん顔
週刊朝日に「東電が放置する放射性『牛糞』」という記事がある。国が牛糞堆肥や稲藁に含まれる放射性セシウムの暫定基準を定めたのは、事故から5か月後だった。それにより1キロ当たり400ベクレルを超えたものは使用も出荷もできなくなった。福島県が実施した牛糞堆肥のセシウム検査によると、調査対象の約25%が400ベクレルを超えたが、残りの牛糞の引き取り手も皆無だという。
牛糞のたまるスピードは極めて速い。「成牛では、1日10キロの餌を食べて9キロの糞を出します。つまり、10キロ食べて1キロ太る。経済効率を考えると、非常に分の悪い動物です」といわき市内の牧場主が話している。
そうして県内にたまった汚染堆肥は10数万トンもあり、焼却処分も場所が決まらず、畜産農家の空き地に保管するしかないそうだ。実に10トントラックで1万台分以上になるというのだ。牛舎にたまった牛糞で身動きがとれなくなった牛が窒息死するという信じがたいことも起きているという。
当然ながら、こうした原発事故を起こした東京電力や自治体に廃業補償や休業補償を求めているが、何度回答を求めても「本店からの返事がなく、まだ回答はできません」というばかり。国と東電を相手に福島原発事故の民事責任を問う原告団を立ち上げた馬奈木厳太郎弁護士はこう語る。
「東電は当初、賠償請求書をそのまま被災者に送り返していました。私たちが経済産業省や文部科学省などに東電の態度を是正させるよう申し入れたところ、ようやく請求書を受け取るようになりましたが、返事をまったくしない放置状態がいつまでも続いている。非常に対応が遅いのです」
弁護士先生はいい方が上品だが、要は東電も自治体も何もする気がないということではないのか。
もうすぐ東日本大震災、福島第一原発事故から2年になる。たった2年しか経たないのに、アベノミクスに浮かれ、中国への憎悪を煽り、震災や放射能問題は東北の人たちへ押し付けている構図は、沖縄と同じではないか。週刊誌よ! もっと大事なことに誌面を割け。