本人を名乗って有名人のツイッターに勝手に書き込む「乗っ取り」や「なりすまし」と呼ばれる行為が横行している。「一般人にも多発しているこの行為は、ただの悪戯ではすまなくなっている」と「トクだね!」が取り上げた。
橋下市長、剛力彩芽、小森純も被害者
橋下大阪市長も19日(2013年2月)の定例会見で、「自分では発信していないものが発信されている。アカウントの乗っ取りという事態になっている」と明かした。ツイッターはパスワードで管理され、他人が勝手に書き込むことはできないはずだが、今月16日に何者かが不正な方法で乗っ取り、意味不明の漢字が書き込まれていたという。
芸能界のペニーオークションで騒動になったタレントの小森純(27)も被害にあった。ツイッターを自粛したのに、19日に「またこっそりとはじめました 事情があってブログとはおさらばしました これからはツイッターじだい またプライベートのことつぶやきます ヨガしてねます」とあった。ネット復帰と話題となったが、所属事務所が「なりすましで、本人と関係ない」とコメントして騒ぎは収まった。
人気女優の剛力彩芽もツイッターを開くと自分の写真が貼られ、「今年の24時間テレビのマラソンランナーに決まりました!!」など、複数のなりすましの書き込みをやられた。本人は「びっくりしたけど、事務所が対処してくれているので…」憮然としている。
不正アクセス防止法違反で3年以下の懲役または100万円以下の罰金
そして、なぜかこの人も!キャスターの小倉智昭が顔写真付きで、毎朝午前8時に「おはようございます!!」とつぶやいている。本人は「やってねえよ、そんなの」と怒り、「おはようございますっていうに決まっている。何の意味があるんだろう」と首をかしげる。有名人のなりすましはイメージダウンを狙ったものや単なる悪戯などさまざまだが、一般人のケースでは深刻なケースも出ている。30代の主婦は昨年8月(2012年)、下着を見せた写真付きで異性との出会いを求める「なりすまし」の書き込みをやられたがという。
この「乗っ取り」「なりすまし」は犯罪になるのか。インターネット関連法に詳しい寺尾幸治弁護士によると、本人になりすましたアカウントの乗っ取りは、「不正アクセス防止法違反で、3年以下の懲役または100万円以下の罰金です」という。ただ、なりすましは刑事事件として取り締まる法律はなく、人格権侵害の民事訴訟で損害賠償責任を問われ、慰謝料(一般人の場合100万円が相場)の支払いが請求されるという。
問題は実行犯の特定が難しいことだ。小倉が「訴訟を起こしたくても、相手が分からなくては起こしようがないじゃない」とつぶやいた。