10人死傷でも懲役5~8年!暴走少年判決に遺族「どっちが被害者か」

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   京都府亀岡市で昨年4月(2012年)に起きた児童、妊婦ら10人を死傷させた無免許・居眠り運転の少年(19)の判決が、19日(2013年2月)に京都地裁であった。求刑(懲役5~10年の不定期刑)より軽い懲役5~8年以下の不定期刑という結果に遺族の怒りが噴出した。

裁判長「犯行悪質だが、反省もしている」

   事故は集団登校中の児童の列に無免許の少年が居眠りをして突っ込み、女児2人のほか保護者の妊婦を死なせ児童7人に重軽傷を負わせたというものだった。市川太志裁判長は求刑より軽い判決を下したことについて「遊び疲れと睡眠不足で居眠りに陥った悪質な犯行だが、反省もしている」という理由を挙げた。

   お腹の赤ちゃんを入れれば死者4人になる。それなのに最高でも懲役8年。遺族が理不尽な判決と思うのも無理はない。閉廷後の会見で、遺族たちは「法律って何なのだ」「いったいどっちが被害者なのか」「4人の命を奪っておいてたかが8年。それで何を償えるのですか」「控訴して当然。まだこれからや、そんな感じです」と怒りを口にした。

危険運転致死傷罪(最高懲役20年)を適用できない尻抜け法

   法律に矛盾がある。検察は少年が無免許とはいえ、車を操作する技術があり危険運転の要件を満たしていないとして危険運転致死傷罪(最高懲役20年)ではなく、自動車運転過失致死傷罪(同7年)を適用した。事故以前の2件の無免許運転と合せて起訴した。

   教習所に講習料を払い、技能や安全運転に対する知識を習得し、技能と道路交通法の試験という関門を通って初めて運転の資格が得られる。その関門を通らないで自己流で覚えた車の操作だけで運転し、あまつさえ人を死傷させたのに、「運転技能はあり未熟運転にあたらない」という法律に矛盾はないか。少年は何度も無免許運転を繰り返し保護観察処分を受けていたのに、裁判長が「反省している」と認定したのも不可解である。

   社会通念とかけ離れた甘い判決に、専門家は「10人を死傷させたという結果の重大性を考えると、求刑通りの判決でよかったのではないか」(弁護士)と疑念を述べている。

   コメンテーターのクラブ経営者・松岡弓子(立川談志長女)は、「運転したことがあるから技能があるという前提で裁判が進んでいく。考えられない」と呆れた。

   笠井信輔アナ「裁判の判決は一つの指針を与えることになりましから、運転がうまければいいんだというメッセージを与えかねない判決となった印象を受けます」

   遺族は控訴する方針だ。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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