インフルエンザやノロウイルスを撃退する強力な味方が現れたという。「ニュースアップ!」コーナーでアナウンサーの小松靖が「なんと、これなんです」と差し出したのは柿だった。ウイルス学が専門の広島大学大学院の坂口剛正教授は、「柿から取れる渋がインフルエンザウイルスやノロウイルスを100%根絶することができるということがわかりました」と自信たっぷりに話し出す。
混ぜた数秒後から劇的効果
「ウイルス1に対して柿渋9の割合で混ぜました。調べた限り、ほとんどすぐ効いている。ですから数秒、10秒という単位で効いていることがわかりました」(坂口剛正教授)
そんなに効果があるものなのか。柿渋とは、熟す前の青い柿をつぶして発酵させてつくる液体のことだ。抗菌、防腐作用は古くから利用され、江戸時代につくられた文化財の壁にも塗られている。柿の葉寿司もその効果を利用したものである。
坂口教授は続ける。「柿渋がウイルスに結合しまして、ウイルスを固めてしまうということで、細胞に感染できなくなるということがわかりました」。柿渋のタンニンという成分がウイルスを取り囲むように強力に結合し、ウイルスの活動をブロックしてヒトの細胞にくっつくことを防ぐという。
司会の羽鳥慎一「昔からあるものはすごい力を持っているんですね」
赤江珠緒キャスター「先人の知恵はすごいですね」
飲むの?いえ、スプレーで吹きかけ
小松が柿渋のウイルスへの効果を他と比較しながら説明する。「エタノールという消毒薬はインフルエンザには効くが、ノロウイルス、ポリオウイルス、手足口病のウイルスには効きません。緑茶由来のタンニンはポリオには効くが、ノロ、手足口病には効かない。ところが、柿渋由来のタンニンはいずれにも効果があるのです」。このほか、ヘルペスウイルス、アデノウイルス、ロタウイルスなどにも効くことがわかったという。
小松はコップほどの瓶に入った現物を示す。オレンジ色の液体だ。「それをどうすればいいの、飲むの」とコメンテーターの宮田佳代子(城西国際大学非常勤講師)と舘野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)がほとんど同時に同じことを聞く。
小松「飲まないんです。スプレーになっている消毒液がありますよね。まだ実用化されていませんが、そういうスプレーができれば商品化される可能性があるということです」。
「でも、すごい発見ですね」とコメンテーター陣は感心しきりだったが、実用化はまだ先のようだ。