小学5年自殺「ちいさい命を引きかえにしないと大人は分からない」

全国の工務店を掲載し、最も多くの地域密着型工務店を紹介しています

   大阪府大東市のJR片町線駅ホームで14日午後(2013年2月)、小学校5年の男児(11)が入ってきた電車に飛び込み自殺をした。ホームにメモが残されており、「ちいさい命とひきかえに(学校の)とうはいごうを中止してください」と書かれてあった。

   なぜ男児は死という道を選んでしまったのか、なぜ大人はそれに気づかなかったのか。18日に行われた男児の告別式の後、母親が語った息子への悔悟、思いを「とくダネ!」が伝えた。

母親の悔恨「大人が頑張れ、頑張れと言ってしまったんです」

   告別式のあと、医師だという母親がこう切り出した。「最大の悔いは気付けなかったということです。本当に申し訳ないけど、遺書を見て『何でこんなことで』と思ってしまいました。学校の作文とか文章を書く折には、『統廃合はいやだ』とか『この学校がなくなるのはいやだ』ということが書いてありました。でも、それはどこのお子さんもそうなので、一般的な子どもの思いだと思っていたのです」

   2月になると閉校式(17日)の予行演習が始まったが、母親はこのときのことを今も悔いている。「『学校の思い出を彫る版画』の課題があったんです。『自分は校舎を描きたいけど難しくて描けない』と言って帰ってきて、うなだれていたので叱ってしまった。
   また、亡くなる2日前に祖母に『17日の閉校式を何とかやめさせられないか』と言ったそうです。祖母は『なに言ってるの、ここまで練習してきたんだからやめられへんに決まってるやんか』と言って、私たち親も当たり前に『何をいまさら言ってるの』という感じでした。
   自分は閉校式はいやだし、閉校式をしてしまうとこの学校はなくなるんだけど、そのやりたくない閉校式で団結して歌を歌わなければいけない。そこでも大人が頑張れ、頑張れといってしまったんです」

   男児は14日に学校に行くと、クラスメート25人に統廃合の是非についてアンケートをとった。全員が統廃合反対だった。「息子は『みんなも同じように統廃合をしてほしくないと思っているんだ』と思ったのでしょう。そこに自分の行動の意味を見つけて、やむにやまれぬ行動で逝ってしまったのかなと思います。両親ともに医師で、今まで命の大切さを繰り返し伝えてきたつもりでした。あの子自身も外科医を目指し命を守る仕事をするといっていたのに…」

文   モンブラン
姉妹サイト