ロシア「棚から隕石」住民さっそく便乗商売―庭に落ちてたから売って酒代に

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   ロシア・ウラル地方への隕石の落下では、さまざまな映像がたくさん出てきたが、多くは車載カメラによるものだった。施設の監視カメラの映像もあった。小学校の窓ガラスが破れ立ちすくむ子どもたち。オフィスではドアが吹っ飛び、室内の人たちまでが吹き飛ばされる。柔道場では閃光が走ったあと窓ガラスが飛び散り、練習中の子どもたちが逃げまどった。飛行機が落ちたかミサイルかと誰もが思ったという。

ネットで販売!早くも落下Tシャツ登場

   隕石が落ちたのはモスクワから1400キロ東のチェリャビンスク州で、一帯の建物4700棟以上で窓ガラスやカベが破損し、 けが人は1200人に及んだ。天からの落下物でこれだけ多数のけが人が出たのははじめてという。NASA(米航空宇宙局)は隕石を直径17メートル、質量約1万 トンと推定した。それが秒速18キロ(時速6万4800キロ)で大気圏に突入したため20キロ上空で爆発し、細かい粒になって飛散したと思われる。爆発の衝撃波は広島原爆の30発分に相当するというから凄まじい。

   そのかけらが多数飛び散ったと思われる村があった。一面の雪の原を村人がかきわけている。雪面に穴があいているからわかるという。熱をもった破片が落ちたので雪が妙に固まっていた。子どもやお母さんたちが次々と黒い石を見つけ出す。確認できただけで30個以上。大きさは直径1~5センチ、色はほとんどが黒で茶色いものもある。ある男性は「庭に落ちてた。2つに割れてた。売って酒代にしたよ」と話す。バラバラの小石状態になっていなかったら大惨事になっていたかもしれないというのに、のんきなものだ。

   政府当局は必死に隕石を探しているが、まだ見つからないとか情報はまちまち。 これらの石だって、当局に渡すより売った方がとなるかもしれない。すでにネットではその書き込みが出始めていた。隕石をネタにしたTシャツも出てきた。なんと素早い。

   問題は窓ガラスの修理だ。チェリャビンスク州内だけで被害の総面積は東京ドームの4倍強にあたる10万平方メートルとの試算もあり、供給が追いつきそうもない。一帯は零下の寒さだから、目下はビニールなどで破れを覆ったりの緊急対応を迫られている。

日本には世界最古の隕石

   専門家によると、隕石の落下は1年間で万の単位になるというが、ほとんどは燃え尽きてしまう。今回のような大型は珍しい。シベリアでは1908年、「ツングースカの大爆発」というのがあって、半径30キロが焼け東京都の面積ほどの森林がなぎ倒されたが、実態はよくわかっていない。日本でも隕石の落下はぼちぼちとあるがいずれも小さい。福岡・直方の神社に保存される隕石は861年のもので、記録の上では世界最古とされている。

   「かわさき宙と緑の科学館」学芸員の国司真さんが、ナミビアとロシアで見つかったという隕石をスタジオに持ち込んだ。ナミビアのはでかい。長さ40センチくらいの肉厚の三日月型で、司会のみのもんたが持ち上げようとしたが、「ぎっくり腰になるかも」といわれ「やめます」。小振りなのにほとんどが鉄分なので48.5キロもあるという。隕石の多くは火星と木星の間にある小惑星帯から飛来するのだそうだ。しかし、記録に残るのは100年間に数回だ。今回のは大きい話になるようだが、人があまり住んでないところでよかったのか。隕石探しはまだ続きそうだ。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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