高知県警本部長の悪口、大声で言っただけで起訴!裏にでっち上げ隠蔽
週刊現代と『週刊新潮』が警察批判をやっている。現代はPCなりすまし事件で逮捕された片山祐輔容疑者についてだが、警察が事前に情報をメディアにリークしたのはおかしいと難じている。全国紙社会部記者がこう話す。
「逮捕2日前には捜査関係者が各メディアに容疑者の素性や住所などをリークしていました。逮捕前に捜査情報がここまで漏れてくることはありえませんから、極めて異例です。逮捕直前の未明に自宅前にメディアを集合させることなどは、常軌を逸していますよ。連行する際には、事前に『(容疑者の顔を)撮らせるから』と約束し、警視庁の広報官がカメラマンたちに『撮れたか?』と確認をしている始末です。これでは警察によるメディアのコントロールと言われても仕方ありません」
たしかに逮捕時の映像が撮られ、容疑者の顔を隠さずカメラに撮らせていたのには違和感を感じたが、そういうことだったのか。4人の冤罪被害者を生んだことで警察も焦っていたのだろうが、まだ真犯人と決まったわけでもないのに、住所、氏名をリークし顔を晒すのは明らかに行き過ぎである。メディアも多くの冤罪者を生んだことへの反省もなく、警察組織に取り込まれ、警察の広報機関と堕していることへの疑問もない。事件へのもう一つの視点を指摘した、いい特集である。
新潮は高知県警に組織ぐるみの隠蔽工作があったのではないかと告発している。軽犯罪法違反で起訴された小松満裕被告(63)の罪状が、加藤晃久(50)の悪口を大声でいったためだというのだが、そんなことで起訴するのはおかしいと、元最高検検事の土本武司筑波大学名誉教授がいっている。
その加藤なる人物は高知県警本部長で、小松被告は7年前に起きたある事件を告発していたのだ。2006年3月3日、仁淀川町立仁淀中学校のスクールバスが駐車場から国道に出た際、右側から高知県警交通機動隊の白バイが衝突し死亡した。白バイ隊員はそのとき時速60キロで走行しており、すべての過失は運転手にあると認定されたのだ。
しかし、バスの運転手は一貫してバスは停止していたと主張し、バスに乗っていた生徒や教師、バスのすぐ後ろにいた校長などもそう証言している。さらに、白バイの速度は60キロどころではなかったとも証言しているのだ。だが、高知地裁は現場検証の申請も最後まで無視し、最大の証拠として認定されたスリップ痕の写真についても、科学的な検証をまったく行わないまま判決を下し確定してしまった。
バスの運転手は2010年10月に高知地裁に再審請求し、弁護団は専門家に調べてもらってスリップ痕写真が捏造であったことを突き止めている。小松被告はこの事件を高知県警によるでっち上げだと以前から告発していたので、やってもいないことで起訴されてしまったというのである。
検察や警察がぐるになってかかれば無実の人間を有罪にすることなど容易いことは、これまでいくつも事例がある。今回もどうやらそれらしいが、地元の新聞はこのことをどう報じているのだろう。新潮は以前にもこの事件の判決を取りあげ「おかしい」と詳報している。これからも再審請求の行方や小松被告の裁判など、伝え続けて欲しい。