マダニを介して感染するSFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルスよる死者がきのう13日(2013年2月)、新たに2人確認された。厚生労働省の発表によるもので、山口県の成人女性に続き、愛媛、宮崎両県でも昨年(2012年)秋に成人男性が死亡していたことがわかった。「ニュースアップ!」コーナーで取り上げた。
ワクチンも特別な治療法もなし。どんな人にもリスク
動物の血液をエサにしているマダニは通常は3ミリ程度だが、血を吸うと10円玉の大きさに膨れ上がる。SFTSについて国立感染症研究所の西條政幸氏は、「どんな人がかかりやすいかというと、みなさん誰でも同じリスクがあります。(性別、年齢になくすべての人がなり得る病気だが)特別な治療法はありません。ワクチンももちろんないです」という。なんとも厄介な病気である。
マダニはどういったところに生息しているのか。ダニの生態に詳しい獣医学博士の佐伯英治氏は住宅街の公園を歩きながら、「こういう公園にもマダニが生息する環境がたくさんあります。(植え込みの)草の先によく潜んでいます」。水分が命綱なので、背丈の低い湿気のある草に寄生するという。こうした環境があればどこにでも生息しているというわけだ。
噛まれても痛みかゆみないが、引き抜くと口部分残って化膿
身を守る対策について、アナウンサーの小松靖がスタジオで佐伯氏に聞く。「治療薬もない。ワクチンもないという中で、どこを気をつけたらいいんでしょうか」
佐伯「広く分布していますので、一歩外に出ますとどこにでもいます。とくに草とかブッシュとか。今の時期は冬眠に入っていますので落葉の下にいます。春先になりますと、草が伸びてきますので、だんだん葉の上に上がってきます」
小松「実際に噛まれてしまったらどうすればいいのでしょうか」
佐伯「マダニは噛まれても痛いとか痒いとか感じないのが特徴です。大事なことは無理に引き抜かないことです。無理に引き抜くと、口の部分が残って化膿したりとか、面倒なことになります。そのまま皮膚科に行けば切開して取ってくれます。ピンセットがありますが、素人がやるとだいたい口が残ってしまします」
農業に取り組んでいるコメンテーターの高木美保(タレント)は予防が大切だという。「短パンの時は噛まれましたが、皮膚を出さないようにしていればほとんど噛まれないようになりました」
「噛まれないこと」に尽きるようだが、ダニというものは昔から迷惑な困りものだ。厚労省や国立感染症研究所は本格的な調査に乗り出しているという。