日本のお家芸のレスリングが2020年のオリンピック種目から除外される可能性が高まり、レスリング関係者に大きなショックを与えているが、けさ14日(2013年2月)の「モーニングバード!」に、夏冬16回のオリンピック取材経験をもつテレビ朝日アナウンサーの宮嶋泰子が出演し、その背景を解説した。どうやら、オリンピック競技に対する全体的な考え方の変化があるようだ。
IOCロゲ会長の方針「戦闘的、軍事的競技やめ若者が楽しい種目優先」
レスリングが除外候補になったことについて、伝統競技であることから外されることはないと油断し、ロビー活動を怠ったことが原因ではないかといわれている。IOC名誉委員の猪谷千春氏も、除外候補とみられていた近代五種やテコンドーに比べロビー活動が足りなかった指摘している。レスリングのメダル獲得が日本などに集中していることもマイナスになったとの見方もある。
司会の赤江珠緒は「女子ソフトボールといい、レスリングといい、日本が強い競技が狙われている気がする」と不満を述べる。こうした意見に対して、宮島は視点を広げ俯瞰して見てみたいと次のように語った。
「IOCの会長は1980年からサマランチ会長が2001年まで務め、今のロゲ会長がその後を継いでいます。実業家のサマランチ会長はオリンピックを一大エンターテイメントと捉え、拡大路線をとりました。医者であるロゲ会長は世界の若者は今スポーツをしていない、もっとスポーツをしてほしい。そのためにはやって楽しい、見て楽しいスポーツの普及が大切だという考え方で、サマランチ路線の整理をしているところです」
その結果、戦闘的、軍事要素的を含む種目は敬遠されるようになり、空中感覚を楽しんだり、若者の浮遊感に訴えたりするスポーツ、たおえばスノーボードや自転車のBMXなどが加えられるようになったという。スポーツクライミングなどが新たな候補にあげられているのも同じ理由だ。
文
一ツ石| 似顔絵 池田マコト