日本女性2人を刺殺し11人を負傷させたグアムの無差別殺人事件の全貌やチャド・デソト容疑者(21)の素顔などが除々に明らかになってきた。
亡くなった杉山利恵さん(28)と祖母の上野和子さん(81)は、14日(2013年2月)に予定されていた利恵さんの弟の結婚式に出席するため、親戚20数人とグアムに来ていた。司会の小倉智昭は「バレンタイン結婚式はとてもじゃないけど…」と言葉に詰まり、「辛いニュースですね」と話した。
ドラッグにのめり込み高校卒業に6年
現地に飛んだ岸本哲也リポーターによると、日本人13人が死傷した事件には前段があったという。その経緯は次のような凄惨なものだった。デソトが起こした最初の惨劇は、事件現場から150メートル離れた劇場であった。デソトは複数の人をナイフで刺し、逃げる車で歩道を時速70キロで暴走してコンビニの壁に激突、降りてきてまたナイフを振り回した。
デソトが高校を卒業したのは昨年(2013年)で、20歳になっていたというから卒業するのに6年かかっている。高校に入ったころは仲間と自主映画を製作し主役を演じており、仲間の一人は「オーデションで主役に選ばれたのだが、あんな優しい男はいなかった」と話し、人気者だったようだ。ところが、「両親の離婚で変わった行動をするようになった」という。両親の離婚後は母親に引き取られたが、ドラッグにのめり込み成績もガタ落ちになったという。
多重殺人罪で最高は終身刑―死刑制度ないグアム
グアムには死刑制度がなく最高刑は終身刑で、地元紙は女性や子どもを殺害した場合は普通の殺人事件よりも重い多重殺人罪(禁固15年~終身刑)に問われる可能性が高いと伝えている。
コメンテーターの古市憲寿(東大大学院生)は「どこで起きるかわからないので、避けようがないのはその通りだと思う。せめてマスコミが過剰な報道合戦などしないで、遺族や被害にあわれた方のケアを考えて欲しい」と言う。
過剰な報道合戦どころか、ショッピング街の暴走・切りつけの前にも事件があったことが、2日もたって明らかになるなど、むしろ情報は少ない。また、テレビ出演しておいて過剰な報道合戦を批判するのはおかしくないか。批判するなら外で具体的な事例を挙げてやるべきだろう。