国際オリンピック委員会(IOC) がきのう13日(2013年2月)に打ち出したレスリング・ショックがじわり広がっていた。東京・大田区にあるレスリング教室には大勢の子どもたちが激しい稽古に打ち込んでいる。吉元玲美那ちゃん(12)は「夢はオリンピック」という。坂本由宇ちゃん(9)も「金メダル」。選手権4連覇中という深田雄智くん(11) は「世界でメダルが夢だったからショックでした。オリンピックは4年に1度だからとりたい」
オリンピック金メダリスト吉田沙保里選手(30)が真っ先に心配したのも子どもたちへの影響だった。それにしても、この数の多さがあだとなったのではないか?
「今や最も人気ない種目」除外投票で4回すべて最多
日本レスリング協会の福田富昭会長は「全く経緯がわからない。事前の連絡や調査とか意向も全くない中で、IOCの理事会が急に発表したことに驚きを隠せない」なんて悠長なことを言っている。「世界各国のレスリング協会がIOCに働きかけていかないと取り戻せるものじゃないだろうと思う」ともいうが、要するに危機感もなかった、動きすら知らなかった、何にもしてなかったということだ。
IOCのロゲ会長は「まだレスリングがオリンピックから除外されたわけではない。リオデジャネイロ大会では正式種目であり、選手は引き続き練習に励んでほしい」と話している。投票は公正に行われたと、近く国際レスリング連盟会長に経緯を説明するという。
問題はこの投票だ。「中核競技から除外すべき種目」として、4回の投票すべてでレスリングが最多票だった。評価が低いということだが、どういう判断なのか。理事は15人で、ロゲ会長を除く14人が投票する。選手出身もいるが、サマランチ前会長の息子なんていうのもいる。日本人はいない。いわばメンバー制クラブみたいなもので、中がどうなっているのかよくわからない。そういう組織なのだ。