きのう12日(2013年2月)、スイス・ローザンヌで開かれた国際オリンピック委員会(IOC)の理事会で、2020年大会ではレスリングが中核競技から外れることが決まった。復活の可能性は極めて低く、メダル種目としてウエートの高い日本には大きなショックだ。こんな大事なことが決まるまで ニュースにならないとは…
2020年大会も出るつもりだった吉田沙保里「信じられない。リオで4連覇」
IOCは2020年の中核競技を26から25に減らすことを決めていた。この日の理事会でレスリングが外れた。アダムス広報部長は「レスリングが悪いわけではない。25の中核競技にふさわしいものは何かだ。人気、国際性、男女の選手の比率などを考慮して協議し、最終的に投票で決めた」と話した。
16年のリオデジャネイロ五輪では中核競技にゴルフと7人制ラグビーが加わり、28競技が行われる。20年は中核が25競技に減り、残り1枠を野球・ソフトボール、スカッシュ、空手、武術太極拳など7つの候補競技と争うことになる。5月のIOC理事会で絞られ、最終決定は9月の総会になるが、1度外れた競技は復活するのが厳しいという見方が強い。
レスリングは近代オリンピックでは第2回を除き毎回実施されている。日本はこれまで金メダル28個、銀、銅各17個の計62個のメダルを獲得して、いわばお家芸になっている。とくに04年から正式種目となった女子では、3大会で7個の金メダルと圧倒的な強みを示している。
ヒロインの1人吉田沙保里選手(30)は五輪招致のプロモーションで、「東京招致できたら、8年後(2020年)は止められても出ます」と宣言していた。「ショックですね。信じられないという気持ちでいっぱい。オリンピックを目指している子どもたち、若い子たちがやる気をなくさないといいなと思う。リオで4連覇を目指すしかない」と話す。
彼女らを育てた日本レスリング協会の栄和人・女子強化委員長(52)は、「歴史あるレスリングが外れるなんて考えてもみなかった。金をとれる競技ですから、何か手を打てるなら打ってほしい」と茫然自失だ。