いまや「自民党の小泉進次郎行くところカメラあり」で、きのう11日(2013年2月)には自民青年局長として国会議員34人を含む150人を引き連れて福島県の東日本大震災被災地や福島原発避難住民らを訪れ、その一挙手一投足をテレビカメラが追いかけた。訪問を歓迎する声の一方で、パフォーマンスではないかという冷ややかな声も聞かれた。
自民党青年局「チーム11」150人で乗り込み
自民党青年局は復興支援の一環として、毎月11日に被災地を訪問する「チーム11」の活動をしている。きのうは11回目で、福島第1原発周辺の警戒区域の厳しい現状を視察した。握手攻めにあったり記念写真に撮られたりと人気ぶりを見せつける場面もあったが、福島駅前では若い男性が「やっぱりパフォーマンスに見える。もっと早く来るべきだった」と語り、福島・浪江町から避難してきている人たちが暮らす福島市内の仮設住宅では、自治会長が「やります、頑張りますだけなら私らも言える。まず実行してもらわないなと」と具体策を要望していた。
視察を終えた小泉は「私たち青年世代が責任を持って復興を見届けます。1日も早い除染、廃炉、帰還、これを成し遂げるために全力を傾けたい。励ましのエールもあれば、厳しい声もありました。被災地のみなさんから信頼を得られるようにこれからも活動を続けていきたい」と語っていた。
視察ばかりでちっとも進まぬ具体的復興
司会の羽鳥慎一「厳しい声もありましたね」
コメンテーターの舘野晴彦(月刊『ゲーテ』編集長)は「チーム11以外の議員のみなさんも視察に行くんだけど、実際のところ何も動いていない。また、小泉さんもこれから原発をどうするかについては何も触れていない。今後どうするかについて、そろそろ示してほしい」と注文をつける。
取材したレポーターの所太郎も「被災地のみなさん方からすると、若い議員が視察に来てくれることは歓迎だが、次に望んでいるのは、これが議員立法や政策提言など具体的な行動につながっていくことです」と語る。
期待が大きければ大きいほど落胆も大きい。自民党に久々現れた期待の星。党内にもやっかみや嫉妬があり、さまざまな試練が待ち受ける。ひとつひとつハードルを乗り越えていくしかない。