中国政府は自衛艦への射撃用レーダー照射は「日本の捏造」といい、北京市の大気汚染は「日本の石炭火力発電が中国の環境を汚している」と言う。ロックオンについては米政府もあえて「レーダー照射があったことは確信している」とコメントを発表した。いったいこの強弁はどこから来ているのか。「とくダネ!」が歴史を遡ったところ日清戦争まで行き着いた。
「レーダー照射はでっち上げ」「大気汚染は日本の石炭火力発電が原因」
射撃用レーダーの照射についえ、中国外務省報道官は「われわれも報道で知りました」(2013年2月6日)と戸惑っていたが、2日後に一転して「日本の情報は捏造である。中国のイメージをおとしめようとし、中国の脅威を誇張し、緊張関係を作り出し国際世論を間違った方向に誘導しようとしている」と激しく批判した。
北京市の空を覆う大気汚染については「日本は原子力発電をやめて石炭による発電に変えた。これが中国の環境に影響を与えている」(5日付チャイナネット)と主張し始めた。
中国はなぜ謝らないのか。対外的に謝罪したのは、120年ほど前の日清戦争が終結した下関条約(1895年4月17日締結)に遡るという。このとき、賠償金と遼東半島、台湾などを日本に割譲し謝罪した。これをきっかけに、イギリス、フランス、ドイツ、ロシアなどの欧州列強に次々侵略され、時の西太后が領土を割譲していった屈辱がいまも残り、家庭ではこのときの歴史を教訓として、「大事なことは譲ったり引いてはいけない」と教えているという。
立場悪くなればなるほど開き直り頑な対応
北京の日本大使館で公使の経験のある宮家邦彦は次のように指摘する。「強烈な劣等感、屈辱から恨みを晴らそうという気持ちがあると思う。一方で、中国には公衆の面前で罵倒しない、相手の面子は守るというルールがある。レーダー照射について、日本の対応は正しいが、中国からすると面子を潰された面があり、頑なになっているのかなと思いますね」
小倉キャスター「日本は対中関係をうまく築いていくのは難しいですかね」
宮家「日本に安易に謝ると弱腰と国内で非難される微妙な関係で、物事を解決することが難しくなっています。120年前からの屈辱のトラウマが克服されないと、こういう問題は続くと思いますね」
中国人はどうすれば克服できると思っているのかわからないが、きな臭いいやな予感がしてくる。