オリンピック女子柔道代表選手らによる集団直訴の経緯を、選手らの相談に乗りアドバイスをしてきたソウルオリンピック女子柔道銅メダリストの山口香(JOC女性スポーツ専門部会会長)が明らかにした。
「選手たちから話聞いた時がっかり…なぜ今まで黙ってたの!?」
山口はこう話す。「彼女たちからの相談を受けたのは去年(2012年)の9月でした。その時はガッカリしました。なぜそんな環境の中に今までいたのか、声を上げなかったのかと思いました。そして、他の選手やコーチからも話を聞き、全柔連(全日本柔道連盟)の上層部に知らせました、上層部もそんなことが起きているとは知らなかったようです。だから、何らかの対応や措置を講じてくれるだろうと思いましたが、残念ながらそうはなりませんでした。メダルを取れば文句はないだろうという体質が、いつの間にか日本の柔道を変えてしまったと思います」
原元美紀リポーター「最終的には、どんな解決策を選手たちにアドバイスしたのですか」
山口「最後は突っぱねました。どうすればいいか自分たちで考えなさいと。考えて行動することが、いずれは彼女たちの柔道に生かされるだろうと思ったからです。それに、お前は当事者じゃないだろうと言われれば、それまでですからね」
「改革案は女性理事や外国・他競技からコーチ招聘」
原元は「山口さんがガッカリしたと言ったのは、なぜいままで黙っていたのか。ショックを受けたという意味が込められています」と説明した。司会の羽鳥慎一は「最後は突っぱねたと言っているけど、ずっと選手たちの後ろにいて選手たちを見守っていたわけでしょう」と山口の気持ちを推測する。
コメンテーターの長嶋一茂(スポーツキャスター)「選手たちの意識のどこかに、監督やコーチよりも自分たちは下という思いがあったのでしょう」
原元「山口さんは改革案として女性理事の誕生や他の競技からや外国人をコーチにすることなどを提案しています」
長嶋「女性の理事や監督の就任は必要なことだと思う。女性同士でないとわからないこともあるから。でも、他の競技からや外国人コーチというのはどうだろう。柔道は日本で誕生した格闘技で、単に技術を教えるだけでなく、その精神も指導して行く必要がありますからね。それがどこまでできるだろうか」
全柔連会長が国際柔道連盟の会合で暴力・パワハラ問題の説明を行っているが、国際柔道連盟からなんらかのペナルティーがあるかもしれない。