柔道女子の代表選手への暴行、パワハラ問題できのう7日(2013年2月)、日本オリンピック委(JOC)女性スポーツ専門部の山口香・部会長が会見して、選手の訴えを聞いて全柔連の執行部に伝えたが、それでも事態が変わらなかったため選手は行動を起こしたといきさつを語った。
「去年9月に全柔連に改善申し入れたが黙殺されました」
山口は全柔連の国際委特別委員でもある。話を聞いたのはロンドン五輪後の昨年9月末(2012年)だった。「(暴力が)ナショナルチームでもあるんですよ」 と聞いた。そこで数人から聞き取りをし、周辺のコーチにも聞いて、おおむね事実をわかったので全柔連の執行部に伝えたという。
「正直いってがっかりしましたね。なんでそんなことさせられてたの。どうして我慢していたんだと。それが私には考えられない」
幹部に伝えたのは何らかの改善がなされると願ってで、またそうなるものと信じていたという。ところが、全柔連は園田監督の続投を決め、監督は厳重注意を受け選手に謝罪をしたが、連盟は事実を公表せず体制は変わらなかった。しかも、そのままリオ五輪まで行くと発表になったため、山口は「力が及ばなかった」と選手に伝え、さらに「現体制に伝えたいのなら、選手自身がやるべきだ」と話したという。
方法はいろいろあったが、選手15人はJOCへ告発文を送った。これで全柔連は園田監督を戒告処分としたが、それでも 監督は続投のままだった。先月末に告発が明らかになり、山口の訴えから4か月たって全柔連はようやく暴力行為を公表して幹部が謝罪。園田監督も辞任した。
山口は「選手たちの訴えをていねいに聞いてほしかったという思いはあります。その意味では私は不十分だったかなと感じてます」と話す。山口と全柔連の対立というような報道もあったが、「私は常に柔道連盟に意見を言ってきたし、厳しいこともいってきた」という。
騒動の黒幕説流されあえていきさつ説明
15人の選手名についても山口は明快だった。言い分が違うのなら名前を出して公の場で議論する必要があるかもしれないが、おおむね事実を認めて謝罪・改革というのに、いま名前を出せという理屈がわからないという。
一方、全柔連の上村春樹会長は国際柔道連盟への説明のため、パリへ発った。上村は出発前、「きちんと説明する。東京のオリンピック招致にマイナスイメージは拭えないと思いますが、それを少なくしたい」と話した。事態の重大性にようやく気づいたということらしい。JOCもきのう午後から、暴力やパワハラについて各競技団体から事情聴取を始めた。どうも受け身の印象が強いのはいただけない。
司会のみのもんた「どんどん明るみに出るのはいいこと。隠蔽体質は直さないとはっきりさせてください」
与良正男(毎日新聞論説委員)「山口さんがこの事件の黒幕ではないかという一部報道があった。それで話さざるを得なくなったのだが、ボクはちょっと違うと思う」
みの「黒幕じゃなくて黒帯」で、時間切れになった。