雪降ってないのに間引き―首都圏JRなぜ通常運転に戻せなかったの?

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   大雪予報が外れ、春先に見られる淡雪がすぐ雨に変わった6日朝(2013年2月)の首都圏だったが、JRの各線は終日ダイヤが乱れ、各主要駅は大混乱だった。予定通り3割カットの間引き運転を続けたことが原因だが、別の所にも問題があった。

ダイヤ、駅案内、乗務員手配…融通きかないコンピューターシステム

   JR利用客から大混乱の映像が「とくダネ!」に寄せられた。午前9時を過ぎた川崎駅。普段なら通勤・通学ラッシュのピークは過ぎ、一段落しているはずの改札口に乗客が殺到、ホームは乗車待ちで身動きが取れないほど人であふれかえっている。ようやく電車が到着すると、降りる人と乗る人で押し合いへし合いが始まり、よくぞ人身事故が起きないもと感心する。同じような混乱がどの主要駅でも起きた。

   通勤に利用している女性は、「ちょっとひどいと思いますね。雪も降っていないのに7割の運転なんて。もっと臨機応変にできないのですかね」と怒っている。ツイッターにも「雪が降るたびに通勤時間だけ70%運行にするJRっておかしくない。この程度で間引くなんてJRの判断に疑問」「雪が降ってから対応すればいい。人災ですね。出社する前に疲れちゃう」

   実は、JR側に臨機応変に対応できない事情があった。交通評論家で亜細亜大の佐藤信之講師が次のように説明する。「JR東日本の首都圏の電車区間は、電車の運行から駅の案内表示まですべて1つのコンピューターシステムでやっています。変更するには、全部のデータを打ち込まないと車両、運転手、車掌が確保できないシステムなんです」

気象予報士・天達武史苦しい弁解「関東地方の雪は難易度高い」

   もっとも、根本原因といえば、気象データを提供した気象庁、それを伝えた気象予報士にも責任の一端がありはしないか。キャスターの小倉智昭が「気の毒だったのは天達(「とくダネ!」の気象予報士)です」といわれて登場した天達武史は、さっそくこんな言い訳を並べる。

「この時期、関東地方の雪の予報は外れやすいんです。雪か雨かの予報の難易度が高いんです。太平洋側の場合、低気圧が陸地沿いを通過する際、南にある暖気が陸地にかかれば雨、北の寒気がぐっと下がってくれば雪なんですが、そこが微妙なところで・…」

   1年に1度か2度あるかないかの雪、我慢すればいいという意見もある。小倉の最後の落しどころは「日本人の勤勉ゆえにこういうことになる」だった。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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