東京・武蔵村山市の一角に、長さ250メートル、幅30メートル、深さ10メートルの巨大なV字型のミゾが掘られている。いま、ここで東大地震研などによる立川断層の調査が行われている。その現場が初めて公開された。
立川断層は府中市から北西へ、立川市を通って青梅市まで約20キロの断層だ。これが東日本大震災の影響で近い将来動くおそれがある。すなわち大地震だ。ただ、これがいつ動いたのか、どれくらいの間隔で動くのかなどを知る必要がある。
マグニチュード7・4、8万6000戸被害、死者2600人
立川断層の存在がわかったのは1970年代半ばで、それと知らずにすでに町は作られていたから、国道や鉄道があちこちで断層をまたいでいる。今では緩やかな坂になっているだけで、断層とは思えないが、地震が起きたら、試算ではマグニチュード7.4、8万6000棟が被害をうけ、犠牲者は2600人とされる。断層沿いに住む住民は「これが揺れたらアウトでしょう」という。だから備えないといけない。「先祖代々」という人もいて逃げるわけにもいかない。
東大地震研の平田直教授が解説したのだが、これがまあ物差しのケタが違う。司会のみのもんたが「古いんですか」と聞くと、「古いです。ひとつ前に動いて地震が起きたのが約1万年前」という。「次はいつですか?」「およそですが、1万年に1回くらい動きます」
正確には、2万年から1万3000年の間に動いた。つまり地震があった。そしていま、今後30年間に地震が起こる確率は0.5~2%。これは 「やや高い」レベルだという。
平田教授「阪神淡路でも6000人が亡くなりました。都市で起ると被害が大きい。地震は同じ場所で繰り返し起るから、過去を調べることが将来を知ることになります」