東シナ海の公海上で中国フリゲート艦が海上自衛隊護衛艦にレーダー照射したことについて、中国外務省がようやく見解を表明したら、「この問題については、関連部門に聞いてください」という。「知らなかったのか」との質問にも、「そのように理解していい。私たちも報道で知った」とまるで他人事だ。専門家は「現場の暴走はよくある」というが…。
国防部の管轄だがトップも知らなかった可能性
安倍首相はきのう6日(2013年2月)の参院本会議で、「不測の事態を招きかねない危険な行為で、再発を防止し事態をいたずらにエスカレートさせないように、(中国に)強く自制を求めていく」と慎重姿勢を示した。米国務省広報官も、「地域の平和と安全を損なう」と懸念を表明した。
照準レーダーの照射は拳銃なら引き金に指をかけた状態だ。国際法では反撃が許されている。ただ、党や軍のトップが知らなかった可能性はあるという。
中国問題に詳しい富坂聡氏は「こういうことはよく起る」と話す。過去にフィリピンとの間でも似たようなことがあったという。中央の指示が漠然としているので、現場の判断で動くことがあるらしい。
司会のみのもんた「中国の権益を守るためならレーダー照射も当然ということでしょうか」
富坂「ここまでなら大丈夫だろうと現場が判断する」
北川正恭(早大大学院教授)「それは大問題じゃないですか」
富坂「それがいまの中国です。どこまで政府がつかんでいるか、日本側には見えないんです」
小松成美(ノンフィクション作家)「関連部門ってどこですか」
富坂「国防部でしょう。でも、答えないでしょうね」
政府系の環球時報「日本の自作自演の茶番だ」
みの「照射されたらどうしたらいいんですか」
富坂「交戦規定によるが、国によってはすぐ反撃する。アメリカにやったら、結構なことになったと思う」
イラク戦争前の1998年、偵察中の米軍機が照射されたためレーダー基地を爆撃している。中国軍の暴走では2001年に海南島沖で米中機が衝突した例がある。このときアメリカ政府はホットラインで連絡をとったが、当時の江沢民総書記は8時間も逃げ回って電話に出なかった。
みの「報道で知った政府はどう対処するんでしょうね」
富坂「困ってるんじゃないですか」
金井辰樹(東京新聞政治部記者)「でっち上げだと、日本側のせいにするかな」
富坂「中国メディアはその方向ではないでしょうか」
政府系の「環球時報」は「日本の自作自演の茶番だ」と書いている。
みの「そんなバカなことする分けないと、突っぱねるかと思ったら……」
富坂「そこで権利を行使しただけだというのが普通の反応だが、今回は違った。日本は落ち着いた対応したんじゃないでしょうか」
みの「このままではすみませんよね。日本はどうしたらいいですか」
富坂「落ち着かせるような安全装置が日中間にないと危ない」
まったくだ。外交力が試されている。