中国・北京の天安門広場の映像だというが、人民大会堂もかろうじて見える程度だから、毛沢東の肖像なんか見えない。車もライトをつけている。ナレーションは「昼なのか夜なのか」という。たしかにひどい大気汚染だ。環境問題や国民の健康をなおざりにしてきた「自業自得だ」といってもいられない。西日本にはもう流れてきていた。
北京に1日滞在するとタバコ21本分の健康被害
中国の環境保護相が「1月は中国全土の4分の1でスモッグが発生し、人口の半数近い6億人に影響が出た」と発表した。普通のマスクでは追いつかないのか、工事用の防護マスクが売れているそうだ。新鮮な空気の缶詰というのが出回っていた。ビールの缶くらいで、プシュと開けてスーッと吸ったら、「はい、お終い」だが、5元 (70円)で飛ぶように売れている。
スモッグの元凶は「PM2・5」と呼ばれる猛毒の粒子である。石原慎太郎衆院議員が都知事時代に、会見でばらまいて見せた黒い粉だ。スギ花粉の何十分の1という小ささ。中国では暖房用に石炭を焚いているのが大きいらしい。
日本での環境基準は1立方メートルあたり35マイクログラムだが、北京では4日連続で300を超えている。北京の一部では先月中旬(2013年1月)に993にもなった。人々の健康に障害を及ぼす危険な数値だが、暖房を止めるわけにもいかない。打つ手は全くない。視界が悪いから高速道路では事故が多発する。病院は呼吸器系の不調を訴える患者であふれていた。地元誌は北京に1日滞在すると、たばこを21本吸ったのと同じになると書いた。
花粉症と重なるとアレルギー症状何倍にも悪化
この汚染、すでに日本へ届いていた。福岡市で基準値を超える40を観測した。熊本ではもやがかかって、「目が痛い」「くしゃみが出る」「ホコリっぽい」などの訴えが目立つ。山形大学の調査では山形・蔵王の樹氷にもこの有害物質が飛来していた。シミュレーションでは、汚染の舌先が西日本を広くなめている。「長く続くと、子どもや呼吸器・循環器系の疾患をもってる人たちに影響が出る。注意が必要」と専門家はいう。花粉症と結びつくと、アレルギーを起こす力が何倍にもなると指摘する人もいる。
司会のみのもんた「粒子なんだ」
三屋裕子(スポーツプロデューサー)「PM2・5はもの凄く細かいので、普通のマスクなんか通っちゃう。越境汚染への手だてはないみたいですね」
みの「扇風機回して、あっちへ行ってというわけにはいかない」
防ぎようもない。マスクがせいぜいだ。明後日あたり、首都圏にまで飛来するかも知れないという。