うっすらと白いもやがかかったように福岡市内が煙っている。原因は中国から飛来した大気汚染だ。この中には有毒物質が含まれている。黒宮千香子リポーターがこう伝える。
「有害物質の正体はPM2・5と呼ばれる微粒子です。先月31日(2013年1月)には、福岡市内でこの微粒子が日本の基準値である35マイクログラムの2倍近い75マイクログラムが観測されました。
普通のマスクではこの微粒子は防げません。微粒子を通さない特殊なマスクでなければ通り抜けてしまいます。でも、福岡市内の薬局にはこの特殊なマスクを置いているところがありません」
西日本直撃!ピーク時は北海道まで広がり
東京から福岡に転居した主婦・小山愛さんは「子供が突然、花粉症のような症状を引き起こしました。それまでそんなことはなかったので、お医者さんに連れて行くと微粒子が原因だと診断されました」と語る。司会の羽鳥慎一は中国の大気汚染が日本列島に流れ込む様子を撮影した航空写真を示しながら、「中国からの大気汚染は日本全体に広がり、巻き込むような形で流れながら北海道まで達しています」と話した。
黒宮「PM2・5の直径はスギ花粉の12分の1と非常に細かいもので、中国では車から排出される排気ガスの中に多量に含まれていると見られています」
中国「世界の迷惑」環境・健康より経済優先
コメンテーターの石原良純(タレント・気象予報士)は「中国と日本の間には壁を作るというわけにはいかない。中国から流れ込んでくるものは防げない。これからは黄砂の季節にもなり、黄砂とPM2・5が一緒に体内に入ったら、何が起きるのか」と心配する。
黒宮「花粉などに付着して体内に入ると、アレルギー症状がより強力になるようです」
青木理(ジャーナリスト)は「日本でもかつて大気汚染が大きな社会問題になり、排煙や排気ガス、ガソリンなどの基準値を厳しくしたという経緯があります。中国は世界の工場と呼ばれ、大気汚染の問題はそのままに、安い製品を作り世界に輸出している。もう、中国の大気汚汚染は中国一国の問題ではない。世界中で話し合って規制を考える時期に来ていると思います」
中国が聞く耳持つかな。