成田空港の到着ロビーで外国人を勝手に出迎え、「あなたは何しに日本へ？」とぶしつけなインタビューして、気になる話が出てきたら密着取材を敢行するというドキュメントバラエティーである。
1月からレギュラー放送していたようだが、今回初めて見て驚いたのが、外国人に突撃インタビューというムチャな企画ながら、カメラを向けられた人の多くが陽気でノリがいいことだ。台湾から来たダンス講師の女性が即興で踊ってくれたり、アメリカからきた俳優の男性がチャンバラの殺陣を披露したりした。アニメオタクの男性は好きな日本のアニメについて熱弁を振るうなどリアクションが楽しい。ようやく目的地に着いて、気持ちがハイになっているのかもしれない。
テレ東らしいゆる～い番組―尻切れトンボにリアリティー
とはいえ、やはりアポなし取材だけに「予定外の事態」も少なくない。この日、密着取材をOKしてくれたのはハネムーン中のフランス人カップルで、「カウチサーフィン」というインターネット上の登録サイトで無料の宿泊先を確保しているという。取材班が同行すると、到着したのは東京・笹塚のマンションの一室。この日は「長旅で疲れているから」と後日に取材することを約束して別れたが、約束の日に行ってみると、カップルはすでに韓国へ飛び立ったあとだった。
大慌ての取材班は、この部屋の借り主であるフランス人のデイビッドに取材対象を変更したのだが、このデイビッドがかなり変な男だった。ここ5年間まともな仕事をしていないという自由人で、80か月で世界中を旅するため現在は日本に滞在中という。生活費は貯金でまかない、「クレイグリスト」というサイトで必要なものを手に入れる生活だ。そのサイトで申し込んだ冷蔵庫をちょうどこれから取りに行くというので、地下鉄の初台から白金高輪の約10駅分の電車賃を払うことを条件に密着取材させてもらうことにする。
しかし、もらった冷蔵庫はデイビッドの想像以上に大きく、台車に冷蔵庫を乗せて地下鉄に乗ろうとしたが乗車拒否されてしまう。取材班がどうするのかと様子をうかがっていると、デイビッドは沿道に停めてある大型車を見つけて、ヒッチハイクを始めたのだ。運良く車の持ち主（日本人）は英語が堪能な親切な人で、車はデイビッドと冷蔵庫を乗せて笹塚へ。予定通り、デビッドは1円も使うことなく、白金高輪まで出掛け、冷蔵庫を手に入れ帰宅したのだった。
テレ東らしいゆる～いテンポで、時には密着取材も途中で断られて尻切れとんぼにもなるが、そこにまたリアリティーがあってよい。外国人の興味を引くニッポンやトレンドもわかり、国際感覚がちょこっと磨けるかも。（テレビ東京系1月23日深夜11時58分）
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