努力重ねてもダメなときはダメという厳しい現実…「それでも踊るのは楽しい」
バレエは過酷だ。1日の大半を練習に充てるため、子供らしい生活は望めないし、経済力がなくては競技も続けられない。実力があっても雇用機会は減る一方だし、筋肉も腱も酷使するからケガが絶えない。そして、残酷なことに、どれだけ努力を重ねても駄目なときは駄目だ。それでも彼らは言う。「踊るのは楽しい」
ひたむきさを言葉より雄弁に語るのは演技だ。動きの一つ一つが何かに導かれているかのようにつながっていく。これが映像の力だよと見せつけられ、最初から最後まで泣きっぱなしだった。コンクールの結果は映画ではクライマックスだけれど、彼らの人生にはステップの1つに過ぎない。タイトル「ファースト・ポジション」はバレエの基礎中の基礎のポジションのことらしい。長くて短い競技人生はファーストポジションからのチャレンジの繰り返しだ。たゆまぬ努力とその強さに、筆者としては初めての星5つ。文句なしです。
(ばんぶぅ)
おススメ度☆☆☆☆☆