「かなり前から付き合いがあったんですね」と司会の小倉智昭が言う。スイス在住の日本人ファンドマネジャー夫婦の遺体遺棄事件では、主犯と見られる水産会社経営者と被害者の接点について、2人は1年ほど前に偶然知り合ったなどと報じられているが、「とくダネ!」がつかんだ特ダネでは話がまるで違うのだ。
上場予定の食品会社買収失敗で多額損失
けさ1日(2013年2月)の「とくダネ!」によれば、2人が知り合ったのは2007年である。被害者が08年に所属していた投資グループの業務メモと関係者への取材から、容疑者(の会社)が被害者の顧客だったことがわかったという。当時、容疑者は自分の会社の上場を狙っていたときに、被害者から上場予定の食品会社をM&Aで買ったほうが手っ取り早いと勧められた。容疑者はその話に乗ったが買収は失敗し、多額の負債を抱え込んだ。09年頃には会社は経営が悪化して廃業状態になってしまった。こうした経緯が事件と関係しているかもしれないらしいというのである。
近年の容疑者は沖縄の知人宅に身を寄せるような状態で、経済的に困っていたようだという。そうしたことは事件の動機につながるだろうが、一方では容疑者が犯行に先立って、土地やクルマの購入などかなりの先行投資を行っていたと見られることには、あまりつながらない感じもある。
「とくダネ!」捜査課長・小倉は「この容疑者で終わる話ではないのではないか。もっと背後があるような気がする」と述べ、引き続きウラの解明を進める模様だ。
文
ボンド柳生| 似顔絵 池田マコト