地域の金融機関に溜まる不良債権
亀山拓也・NHK社会部記者は「ある調査機関が全国40万社の中小企業を対象に調べたところ、経営改善が進んでいないという割合が15%、なかなか進められないという割合が40%以上となりました」という。ゲストの山口義行・立教大学教授は「リーマンショックという外部からの衝撃があり、出血を止めるという意味では、金融円滑法はそれなりの効果がありました。しかし、中小企業は(立て直しのための)何の準備もしておらず、最後は再び金融機関に頼らざるを得なかったのです」と話した。
都内でも有数の信用金庫である墨田区の東京信用金庫の渋谷哲一理事長は、「昨年(2012年)だけで不良債権が140億円も増加しました。このままでは信金の死活問題になるので、不良債権かどうか、その可能性はあるかを色分けして管理しています」と、地域の金融機関の不良債権が増大するリスクを抱えている現状を伝えた。
内多「この現状を変えていくにはどうしたらいいんでしょうか」
山口教授「まず、地域の金融機関でプロを育てていくシステムが必要です。地域の金融機関の取引先は業種も違えば企業規模も違う。そうした事情に精通したプロが求められています。
経済成長が進めば中小企業にも活気が戻ると考えられていますが、中小企業対策と経済成長は別問題。別けて考えるべきです。地域の金融機関が自分たちだけではなく、時には外との連携も考えるべきです」
アベノミクスで騒いでいるのは大手の輸出産業や建設業、鉄鋼業だろう。中小企業は置いてきぼりになっていないか。
ナオジン