愛知の豊川工業高校でも陸上の監督の体罰が明るみに出た。 駅伝の強豪校だが、アンケートで昨年4月(2012年)から12件あったことが判明し、2人が転校していた。この監督はいま50歳。豊川工に約20年勤務し、陸上部監督としておととしまで14年連続で駅伝の全国大会に出場し、04年2位、05年と06年は3 位だった。
「体罰を美化しないが、ゼロは机上の理想論」
低血糖でフラフラになった男子生徒を殴って鼓膜に損傷を負わせ、女子生徒は他の部員の前で数発平手打ちを食わせていた。いずれも退学したという。学校はこの件を体罰と認め自粛を指導したが、監督は「行き過ぎだ指導だったが、体罰ではない」と反論し、以後も続いた。
「スッキリ!!」は実績のあるスポーツ指導者3人に体罰問題をどう見るか聞いた。元開星高校(島根)野球部監督・野々村直通さんは甲子園に9回出場している。「被害が事実なら体罰を超えていますよ。体罰を美化はしないが、ゼロというのは机上の理想論で、学校を守るんだと頑張っている先生方は結果的に力で抑える場面が出てくる。そこをどう捉えるかです。強い指導であるという世界もある。みんながいい子ではない。生活が乱れている子を叩くのは意味が違う」
諫早高校(長崎)陸上部の松元利弘さんは監督歴26年だ。全国大会19回、女子駅伝で優勝2回し、ロンドン五輪のマラソン代表・藤原新選手は卒業生である。「熱心な先生方が消えていくのではないかと危惧している。規則とか約束事を守らなかったり破ったりすると、言葉ではできない部分がある。(体罰には)フォローです。どうしてこうなったかを納得させる。大事なのは、保護者にも『こういう指導をした』とその日に電話する。共通理解がプラスになる」
アトランタ五輪から3回連続で五輪代表となり、銀、銅5つのメダルを獲得したシンクロスイマー武田美保さんは教育再生実行会議委員だ。「シンクロのトレーニングは厳しくて、体罰が一切なくても競技力は向上すると体感している。選手に傷みや恐怖を与えても、怒られないようにとか、その場しのぎになる。スポーツ本来から外れるのではないか。指導で手を上げたことは一度もない。考えさせて乗り越える」
杉山愛「海外では考えられない。ビクビクさせてもいい選手にならない」
司会の加藤浩次「アンケート結果を隠していたということですか」
西村綾子レポーター「学校は体罰はあってはならないと再三伝えてきたといっています。同時に『最高の人間だと思っている。荒廃していた学校を立て直した実績もある。長く勤めてもらいたい』ともいっていました。父兄からも、辞めてという声はないということです」
プロテニスプレーヤーの杉山愛「体罰はフェアじゃない。ビクビクさせても真のいい選手にはならない。指導者がそれを理解していないのではないでしょうか」
加藤「海外では?」
杉山「見たことないですよ。互いにクビを切られる関係ですからね」
そうだ、プロテニスはまた別世界かもね。
キャスターのテリー伊藤「とりあえず体罰なしでやりましょうよ」
勝谷誠彦(コラムニスト)「電話ではあれしかいえない。では、どういう時に手をあげたんですかと聞くと、(一拍あって)これは難しいんだよな」
要するに、2人の男性監督は殴ってる。
テリー「やらないと決めたらやらない。それでやってみればいい」
その結果、成績が下がるか上がるか、その方が見てみたい。