<東京家族>
小津安二郎の名作が生んだもう一つの名作―60年前と「日本の家族」変わったのだろうか

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(C)2013「東京家族」製作委員会
(C)2013「東京家族」製作委員会

   監督生活50周年という節目で山田洋次監督が挑んだのは、名匠・小津安二郎監督の「東京物語」を下敷きにした現代家族のドラマだ。2011年4月にクランクインを予定していたが、直前に東日本大震災震災が発生、家族のあり方があらためて問われ、シナリオを練り直した。

子どもたちに会うため瀬戸内の小島から上京した老夫婦

   瀬戸内海の小さな島で暮らす平山周吉(橋爪功)と妻とみこ(吉行和子)は、子どもたちに会いに東京へやって来た。品川駅で出迎えているはずの次男・昌次(妻夫木聡)が間違えて東京駅に向かってしまうというトラブルはあったが、なんとか開業医を営む長男・幸一(西村雅彦)の家に着き、長女・滋子(中嶋朋子)らも加わって久し振りの一家団らんの時間を過ごす。

   周吉ととみこは何かと忙しい幸一を気遣い、都内で美容院を営む滋子夫妻の家に世話になるつもりだったが、家が狭いからと横浜のホテルへ追いやられてしまう。田舎暮らしの老夫婦に高級ホテルはなじめず、1日で東京へ戻ってきてしまった。しかし、滋子から町内の集まりがあるから今夜はどうしても泊められと言われ、周吉は古い友人の家、とみこは昌次の住むアパートに世話になることになった。

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