周囲は「温かい無関心」心がけ
宗像教授「(心の傷を克服するには)事件のことを周囲に話す。最初は無理でも、最終的にどこかで信頼できる人に話すことが必要です。どうしても話せない場合は、何かに書いて心の中の整理をしないと恐怖感が取れないんですよ」
青木氏も「自分の中にしまっておくんじゃなくて、ある程度、事態についての客観化ができた段階で積極的に外に向かった話をしなさいといわれた。このカウンセリングは良かったと思う」と自らの体験を話した。
周囲の人間の気配りについて宗像教授はこう語った。「あまり関心を持ちすぎるのもすごいプレッシャーになり、見守ることが重要。『温かい無関心』の姿勢を周囲が持つことが第一です」
このわかりやすい丁寧な説明に、作家の吉永みち子も「話とか書くことで客観性を持てたり、苦しみから立ち直るきっかけになるというのはわかるような気がする」と納得したようだった。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト