鈴木京香演じる遠藤真弓は、夫の啓介(宮迫博之)、小学6年生の娘・彩花(杉咲花)と3人家族だ。物語は遠藤家が無理をして憧れの高級住宅地「ひばりヶ丘」に新築の家を購入し、引っ越してくるところから始まる。なにかに似ていると思ったら、前クールで話題になった「家族の時間」だった。ヒットドラマにあやかろうという演出意図だろうか。もっとも、このドラマにエロの要素は1ミリもないが…。
憧れの高級住宅地引っ越してきたら、向かいのダンナが殺されて…
お向かいの豪邸に住む高橋家は、妻・淳子(石田ゆり子)、夫・弘幸(田中哲司)、長男・良幸(安田章大)、長女・比奈子(宮﨑香蓮)、次男・慎司(中川大志)の5人家族、新参者の真弓になにかと陰湿な態度をとる自治会婦人部部長の小島さと子(夏木マリ)が、物語の重要な存在となっていくらしい。まずは、引越しの挨拶が遅かったことで気分を害した夏木マリが、鈴木京香をいじめるあたりが見どころだった。
遠藤家が引越ししてきた2009年と高橋家の夫が何者かによって殺害される2013年を行き来するので、話が混乱してわかりづらいところもある。さらに、子供たちが子役を使うことなくそのまま4年分を演じるので、ここにも少し違和感がある。小柄な杉咲花は小学6年生に見えなくもないが、中川大志も同学年というのはさすがにどうか。ましてや、今年20歳の宮﨑が中学生で、28歳の関ジャニ∞安田章大が高校生というのはさすがに無理がある。
「COOKDO」のチャーミングな杉咲花ちゃんが家庭内暴力!
注目は中学受験失敗をキッカケに家庭内暴力をふるう杉咲花だ。「COOKDO」のCMで山口智充と親子で大きな口を開けて中華料理を食べる表情がとてもチャーミングで、「家族のうた」でも好演していた。期待がもてる。
とりあえず伏線張りまくりで、犯人は誰なのかということを知りたくなるような作り方がうまい。湊かなえの原作をどんなふうに料理するのか、見届けたくなるドラマだ。(TBS系金曜よる10時~)
(くろうさぎ)