独身のまま親と同居する「アラフォー」が増え続けている。35~44歳の未婚者で親と同居している人は、1980年には39万人だったが、2010年には295万人と7倍以上になった。「アラフォーで親と同居は69%になっています。そんな中で、ある住宅メーカーが提案した、親と独身者に加えて、兄弟夫婦や子供も入れた『2・5世帯住宅』が注目されています」(塚原泰介アナ)
「子どもは結婚して家を出て行く」という従来型からの発想転換
2・5世帯住宅とは、親世帯、子ども世帯という従来の2世帯に、結婚していない子ども(0・5世帯)も同居するスタイルだ。2・5世帯住宅を提案した住宅メーカーの松本吉彦氏は、「いままでの家作りは、子供は結婚して家を出てゆくという前提の家作りでした。いまは、結婚せず、居心地のいい親との同居をずっと続けるという傾向が強まっています。その上に、他の親族も加わる方が何かと便利です」
子育てや住宅ローン、親の介護をシェアできるという利点が大きいという。
家事分担して各自の自由時間拡大
広島県・福山市の3階建てに8人が暮らす家族がいる。今川家は祖母、父母、長男夫婦と娘、長女(独身)、次男(独身)が一緒に暮らしている。1階に祖母と父母の部屋、2階は全員の共有部分の広いリビングと台所、3階に長女と次男と長男夫婦の部屋がある。
家事は分担とルールがある。長男の妻の英見さんはこう話す。「平日の夕食は専業主婦の私がやります。土曜日と日曜日の食事と洗濯はお母さん、父は掃除担当、夫は洗車とお風呂場、次男は洗濯物干しで、長女は料理手伝いと食器洗いです」
同居を呼び掛けたのは英見さんだった。「家事のない土日に介護ヘルパーの講習に通っています。私が留守の間は、みんなが交代制で娘の面倒を見てくれます。やがて父や母が年をとった時も、今のヘルパーの勉強は大事ですから」(英見さん)
くわばたりえ(タレント)が感心する。「皆で分担して、皆でカバーしあっているって、これが家族ですよ」。コラムニストの深澤真紀が大家族での住み方でこんな提案をした。「嫁が外の文化を持ってきているんです。だから血縁のない人をいかに大事にするか、それがポイントですね」
まあ、昔の大家族主義の現代版住宅ということか。
(磯G)