アルジェリア襲撃グループ「覆面団」どんな連中か?実行部隊は「血判旅団」

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   アルジェリアの天然ガス施設襲撃事件が大きく動いた。アルジェリア政府は現地時間のきのう17日(2013年1月)昼ごろ、移動をはじめた武装集団に攻撃を加え、しばらくして事態を収束したと発表した。国営アルジェリア通信も「軍事作戦は終了した」と伝えた。しかし、攻撃で人質約30人が死亡したと伝えられ、日本人が含まれているかどうか最終確認はできていない。

日揮社員サトシ・キヤマ「撃たれたが状態は悪くない」

   アルジェリアの内相は「武装集団が人質を連れて移動を始めたので攻撃を加え、襲撃の司令官らを殺害した。結果的に人質にも被害が出たのは残念だ」と表明した。ロイター通信も治安当局者の話として、軍事作戦で人質30人が死亡、うち日本人2人と伝えた。他の報道では人質35人、武装グループ15人死亡ともいう。

   中東のテレビ「アルジャジーラ」によると、施設から脱出したアルジェリア人は「150人のアルジェリア人と7人の外国人が逃げた」という。また、日本人男性の声も伝えた。「サトシ・キヤマ」と名乗り、英語で「軍の攻撃で撃たれた。今の状態は悪くない、もう1人はノルウェー人で、アルジェリア軍の発砲でけがをした」と話していた。

   プラント建設会社「日揮」は「(サトシ・キヤマの)名前は現場の駐在者のリストの中にあります。家族も声が似ていると話していますが、直接確認はできていません」という。これまでに日本人3人とフィリピン人1人と直接連絡がとれ、ケガ人もいるが命に別状はないと確認がとれた。現地には17人の日本人がいるが、あとの14人の消息はわからないという。

   ヌアクショット通信(モーリタニア)によると、襲撃したのはアルカイダと関連のある「ムラッサミン」というグループで、犯行声明では、外国人41人を人質にとっていて、アメリカ人7人のほかフランス人、イギリス人、日本人が含まれているとしている。 ヌアクショット通信は空爆後も日本人1人を含む7人が生存していると伝えている。

計画では「身代金受け取ってマリに脱出」

   襲撃の目的ははっきりしないが、「マリでのフランスの軍事行動停止」を求めているようで、マリでは昨年3月のクーデター以来、北部を反政府イスラム組織が支配し、フランスは今月から掃討作戦に出ていた。しかし、この地域のイスラム武装組織は多く、外国人誘拐で身代金稼ぎをしている。

   安倍首相はきのうアルジェリアの首相と電話で会談し、「軍事行動を控えるよう」あらためて要請したが、見事に無視された。武装グループはマリへの移動もほのめかしており、放置すれば泥沼になることは明らかだった。国際開発センター研究顧問・畑中美樹氏は「おそらくは、テロには屈しない、断固として戦うという強行姿勢を示したもの」という。

   司会の加藤浩次「軍事作戦が終了したとはどういう意味ですか」

   畑中「全員死亡したか、一部を拘束しているか。武装グループの抵抗はなくなったということでしょう」

   キャスターのテリー伊藤「時間が経っているのに、次の情報が入ってこないのはなぜなんですか」

   畑中「軍事作戦ですから詳細は出さないということでしょう」

   襲撃を実行したのは、アルカイダにつながる「AQIM(アルカイダ・イスラム・マグレブ)」という組織の分派「覆面団(ムラッサミン)」の、さらにその実行部隊「血判旅団」とされる。犯行声明で顔をさらしたムラッサミンのリーダー、モフタルは元はアルジェリアの軍人で、その後にAQIMの戦闘員になったといわれる。2007年頃から誘拐事件を繰り返しており、今回も身代金を要求して、最終的に逃げられると踏んでいたのではと畑中氏はいう。 「日本人の安否が心配です」と加藤。情報がほしい。

文   ヤンヤン| 似顔絵 池田マコト
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