アルジェリア南東部・イナメナスの天然ガス生産施設襲撃・人質事件で、政府軍が急襲してかなりの犠牲者が出た様子だ。TBSのロンドンの支局によると、「人質30人が死亡したという情報が伝わっています。このうち7人が外国人で、この中に2人の日本人が含まれていると言われています」と伝え、イギリス・キャメロン首相は「事態はまだ悪化する可能性がある。最悪の事態を覚悟しなければならないかもしれない」と話している。
武装集団は数十人。アルカイダの下部組織で周到に準備
司会のみのもんたが「アルジェリアのお隣は、独裁者が倒されたリビアですが…」と、中東・国際政治専門の高橋和夫・放送大学教授に聞く。「アルジェリアは1962年にフランスから独立しましたが、リビアのカダフィ大佐が権力を握っていたときはリビアとアルジェリアの国境は抑えがきいていましたが、リビアの独裁政権が倒されて以後は抑えが効かなくなって、現在はリビアからアルジェリアに大量の武器が流れ込んでいます」
日本エネルギー経済研究所の保坂修司氏が「今回のテロ組織は覆面グループと呼ばれ、国際テロ組織・アルカイダの下部組織です」と解説した。
みの「このグループはどのぐらいの規模ですか」
高橋「メンバーは数百人程度だとされています。今回の人質事件に参加したのは数十人規模でしょう。やり方から見て、かなり前から周到に準備していたと思われます」
テロ集団攻撃は疲れさせてから夜襲が基本なのに…
与良正男(毎日新聞論説委員)「アルジェリア政府の対応を巡って、今後、西側諸国が割れる可能性はありますか」
高橋「アメリカやフランスが不満を持っているのは、平たく言えば、ドジなやり方だということです。普通、テロ集団への攻撃は夜を待ってとか、1週間から10日間ぐらいの時間をかけ、テロリストたちが疲れるのを待ってからというものです。しかし、今回は事件が起きてすぐに、それも昼間から攻撃を始めました。アメリカの無人偵察機が上空から情報収集に入っている最中に、です」
みの「なぜ、そんなに事を急いだのだろうか」
高橋「独立国としての面子でしょう」
アルジェリアにとっては、外貨収入源である天然ガス施設を丸ごと爆破でもされたらたまらんということもあっただろう。