安倍内閣が決定した2012年度補正予算は総額は約13兆1000億円と、過去2番目の大型となった。井上貴博アナウンサーは「今回の補正予算は建設関係を中心に、さまざまな大型の公共事業が盛り込まれています」と説明する。
「人からコンクリートへ」公共事業ばら撒き
元通産官僚の古賀茂明氏は「安倍内閣は補正予算を防災・減災のためとしているが、それは聞こえを良くするため。実態は公共事業のばらまきに近い」と言う。民主党は「人へのばら撒き」だったが、安倍内閣は「コンクリートでばら撒き」というわけだ。井上がその一つの例として挙げたのが、「全国ミッシングリンクの整備です。ミッシングリンクとは、現在繋がっていない道路を繋げようというもので、これに約620億円が盛り込まれています」
古賀は「交通量が少ない片側1車線の地方の道路を2車線に広げたところで、どれだけの交通量が増えるというのだろうか」と経済波及効果に疑問を投げかける。元財務官僚・小幡績氏は「最初に10兆円という数字ありきなのでしょう。それに合わせていろいろなものを積み上げていったら、13兆円という数字になった。防衛省のF?15戦闘機改修で、下請けの景気対策になるとして600億円を計上しているが、それは口実でしかないですよ」と呆れる。
お題目だけか?「防災・減災」「景気回復」
経済評論家の山崎元氏は「予算が正しく使われ、その利益がフェアに分配されているかどうかをチェックする必要がありますよね。民間が投資を渋っている事業に国が税金を投じ、失敗すれば国民の負担になりかねない」と話す。
司会のみのもんた「どうしてこんな補正予算になってしまったのですか」
片山善博(慶応大教授)「景気優先のための補正予算としているが、中身は官僚が自分たちの権益を守りたいがため。結果、大型公共事業優先となってしまった」
待っているのはさらなる増税。潤うのは建設関係や鉄鋼関係ということか…。