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「週刊ポスト」裏エンディングノートうまい!生涯最高のsex、あぶない思い出…さて、何を書こうか

   雑誌は売り物記事がないときは企画で勝負。「週刊ポスト」の特別付録「エンディングノート」はなるほどと思ったが、後半にある「裏エンディングノート」には笑った。この発想、天晴れ!

   表のノートには、病気の告知について「病名も余命も告知して欲しい」か、そのどちらもして欲しくないか。延命治療はどうするのか。最後を迎える場所はどこがいいか。臓器提供や献体はどうするのか。葬儀のときの形式や戒名、葬儀のときに流して欲しい音楽(立川談志さんは「That's a Plenty」だったな。私はBill Evansの「Waltz For Debby」がいいな)。墓について。預貯金や保険、不動産、有価証券。大切な人へ残したいメッセージなどがある。

   ガンなどのように、いくらか最後を迎えるまでに時間があればいいが、突然死の場合、後に残された人のことを思って、こうしたものを書いておく必要はあるだろう。私もそろそろ書いておこうと思っている。

   だが、裏ノートにはどう書こうかとしばし考え込んだ。表紙には「ここからは妻や子に見せてはいけない!!」と書いてある。記入してすぐ焼却するもよし、信頼できる人に託すもよし、日記に挟み込んでおくのもよしとある。では、なんでこういうものを書くのだろう?「体が健康なうちに、自分自身をより深く、見つめ直す」ためだという。

   まず開くと、「春の歩み―私の女性遍歴」とある。童貞喪失が何歳で、相手は誰で、場所はどこか。これは今でもハッキリ覚えているから書けるな。思い出のsex欄には20人まで書き込める。名前、期間、思い出sexとあるのは、何をどう書けばいいのだろう。次に1番好きだった女。1番sexがよかった女。生涯で1番思い出に残っているsex。変態告白。あぶない思い出とある。

   その次が興味深い。「墓場に持っていく話」とあり、隠し財産、隠し負債、犯罪、処分してほしいものリスト、妻子に内緒で自分のことを伝えて欲しい人リスト、最後にいい残しておくことと続く。最後のページに「この裏ノートを保管して欲しい人の名」とあるが、これが一番難しい。

   この他にも、自分の人生の来し方を見つめるためにしておかなくてはいけないことは多くあるはずだ。年の始めに、そうしたことをゆっくり考えてみるのもいいかもしれない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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