元日銀総裁の警告「政府の言いなりでは日銀は単なる紙幣印刷所。ハイパーインフレ起こる」
「週刊朝日」の連載「案ずるよりフジマキに聞け」で藤巻健史はこういっている。「バブルの経験からして、景気と『間違いなく関係ある』のは不動産と株の価格である。あの狂乱経済と言われたバブルは、不動産と株の高騰によってもたらされたもので、消費者物価指数は低位安定していた。上昇率はせいぜい1~2%である」
だが、日銀の澄田智元総裁が後に言っているように、地価と株価が急騰しているのに金融引き締めが遅れたのは「認識が不十分だった」ためで、安倍総理のいっているインフレターゲットは、「景気対策として景気と関連性の薄い消費者物価指数を念頭に置くのは、『そのときの反省が生かされていない』と言わざるを得ない」と批判する。
その上、日銀は政府のいいなりだと国民や外国人に思われてしまったら、単なる紙幣印刷所に成り下がり、ハイパーインフレへの道を突き進むとも警告しているが、「バブルよもう一度」の声にかき消されている。
テレビのワイドショーも、暮れから年明けにデパートなどの売り上げが伸びたと浮かれているが、まだ給料が1円でも上がったわけでもないし、景気がいいという実感などほとんどの国民はもっていないはずである。
だが現代は「優良企業がバーゲンセール」「プラチナは3月まで値が上がる」。そして金融円滑化法、いわゆるモラトリアム法で何とか生き残っている中小の貸金業が相当数倒産すると予想されるので、「ケネディクス」や「レーサム」などの不良債権処理、不動産の流動化ビジネス関連株がお薦めと書いている。
中小企業が倒産することを『期待』しているのか? そう思わざるをえない。
現代もこの「安倍バブル」の賞味期限は参議院選挙のある7月までで、選挙目当てで自民党は株高を続けるだろう、このバブルはあっという間に破裂する可能性が高いと警告はしているのだが、先の記事に比べると扱いは小さい。
最後に付け足しのように「アベ『格差社会』で若者と老人は路頭に迷う」と、安倍政権では金持ちはより金持ちに、貧乏人はもっと貧乏になると書いている。生活保護の制限、年金受給開始年齢の引き上げ、物価は上昇するが所得は上がらない社会を明るいとはいわない。
安倍バブルの提灯持ちはテレビや新聞に任せて、週刊誌は安倍政権を監視し、チェックする役割を担わなくては、圧倒的多数の自公のなすがままになる。一過性かもしれない円安と株高に浮かれている場合ではないと思うのだが。