駅の地下街などを歩いていると、時々いったい何のためにあるのかと訝しく思うような、やけに短いエスカレーターに出くわすことがある。日本には短さ世界一のエスカレーターもあるそうだが、日本人でも知る人ぞ知るそのエスカレーターが、いま動画サイトのYouTube(ユーチューブ)で世界的に物珍しがられて、大ブレーク中である。
問題のエスカレーターは神奈川・川崎駅近くのショッピングセンター「川崎モアーズ」の地下2階にある。なんでも「プチカレーター」なる愛称が公募によって付けられているそうだ。完成は1989年で、高低差はたったの83センチしかなく、91年度版ギネスに「世界一短いエスカレーター」として認定されたということだ。
高低差83センチ、所要時間5秒の世界最短エスカレーター
このエスカレーター自体は以前からユーチューブに投稿されてはいたものの、今回反響を呼んだのは、世界を旅する米国出身のジェリーさんが投稿した「The World's Shortest Escalator」という動画だ。彼は何年も前にこのエレベーターの存在を知り、日本に行ったら絶対に乗ろうと楽しみにしていたという。
そしてこの度、ついに念願が叶ったのだった。エスカレーターに乗るジェリーさんは満面の笑顔だ。所要時間はわずか5秒だが、じつに感動的な体験だったらしく、彼は「このエスカレーターに7回乗った。本当に素晴らしい」と振り返っている。
動画には英語のコメントが多数寄せられ、「このエスカレーターはいったい何のためにあるんだ」「怠けすぎ」「クールだ」「私も乗りに日本に行く!」など、さまざまな感想が見られる。
ちなみに日本で最長の単独エスカレーターはどこにあるかというと、香川県の遊園地「ニューレオマワールド」にあり、全長96メートル高低差42メートルだという。さらにちなむと、ロシアのサンクトペテルブルク地下鉄の駅には、長さ142メートル、高低差71メートルのエスカレーターがあるそうだ。
ボンド柳生