「9時ッス」コーナーで森圭介アナが「みなさん県民手帳って知ってますか」と問いかけた。スタジオで知っていたのは香山リカ(精神科医)だけだった。 いったいどんな手帳なのか。東京・渋谷ロフトにそれがあった。「県民手帳大集合」と札が出ている。
青森、福岡、鳥取、新潟…と40県が発行していた。ないのは東京、神奈川、大阪、京都、兵庫、三重、北海道だが、北海道は一昨年(2011年)まではあったとか。通常は地元だけで販売されていて、名産品や災害情報などが載っている。試しに新潟を開いてみると、カレンダー部分は普通の手帳と同じだが、新潟のご当地グルメが写真つきで載っていたり、電車の路線図、花の絵、県内の生活に便利な情報がいろいろ紹介されている。熊本の手帳には「くまモン」の絵がついている。愛媛といえばミカンだが、これには柑橘類の食べごろカレン ダーといった具合だ。
他県民にも人気の「沖縄」「福岡」「千葉」
居合わせた客に聞いたら、鹿児島の離党出身というこの男性は、「初めて知りました。自分の島もお祭りまで載っていて嬉しい。急に欲しくなった」と話す。 埼玉出身の女性は「県民の日とか埼玉の歌とか、知らないですが、面白い。他の県も見てみたい」
実際、出身県以外の手帳を買う人も多いそうだ。「人気の観光地であったり、興味のある人はいる」と店はいう。売れ筋ベスト3は、3位が千葉県、2位が福岡県、そして第1位が沖縄県だった。沖縄手帳には県営の運動場やキャンプ場など、ガイドブックに載っていない公共施設の利用方法などがあって人気なのだという。また、県内でしか使われない旧暦の表示もある。
全国で40県が発行。なぜかない東京、神奈川、大阪、京都、北海道…
スタジオに40県の手帳を持ち込んだ。みんな本気になって見ている。司会の加藤浩次「スキー場一覧とか、温泉一覧とかある」
キャスターのテリー伊藤「東京はないんですか?」
森が手帳のない県を並べると、「京都なんかほしいよね」とテリー。森が和歌山の手帳を見せて、「和歌山の日本一とか、県の花、豆知識もたくさんはいっている」。たとえばと見せたのが、「富士山が見える最遠の地」。那智勝浦町の色川富士見峠がそれで、富士山からの距離は322.9キロだという。2001年に撮った写真も載っていた。
ここで加藤が気がついた。「別冊のアドレス帳がついてる。住所、電話番号…いまはもうケータイでしょう」
森も「あんまり聞かないですね」といいながら、「県民手帳の共通点があるんです」と見せたのが、東京都内の鉄道・地下鉄路線図。どの手帳にも載っているんだとか。「観光のために上京する人のために」と森は説明したが、違うだろう。陳情に行く役人の便利のためだよ。地方がおかれた悲しい現実の象徴。