東京・築地市場で5日(2013年1月)に行われたマグロの初競りで、青森・大間産の黒マグロ(222キロ)が1キロ当たり70万円、1億5540万円のバカ高値で競り落とされた。
小松靖アナが「ニュースアップ」コーナーで取り上げたが、コメンテーターは「これCMになりますね」(モデルの前田典子)といい、「もうそれしかないですね」(司会の羽鳥慎一)と呆れ顔だ。
儲かるのは漁師だけ
競り落としたのは、築地を中心に50店舗を運営するすしチェーン「すしざんまい」(木村清社長)だ。マグロはさっそく「すしざんまい本店」に運ばれて客の目の前で解体された。この高値なら1貫4万円の計算になるが、「日頃の感謝を込めて」通常価格の418円で客の胃袋へ収まった。
なぜこんなバカ高値になったのか。競り合った相手は香港や東京で「板前寿司」チェーンを展開するリッキー・チェン代表だ。「すしざんまい」とデットヒートを繰り広げた挙句につり上がったらしい。気象予報士の石原良純の「これで誰が儲かるの?」という素朴な疑問に、小松が「漁師が8割持っていくらしいですよ」という。
5年前から始まった「話題作りの宣伝戦」
築地市場でマグロの初競りで競争が始まったのは5年前からで、チェン代表が前年は413万円だったものを08年に607万円に跳ね上げ、10年には1628万円、昨年は5649万円、今年はその3倍のバカ高値となった。新聞情報によると、この日に大間産マグロは他に3本あったが、1キロ当たり2万8000円~4万3000円、バカ高値の20分の1程度だった。
どこがどう違うのか分からないが、この1本だけが安倍政権のいう物価上昇目標2%をはるかに越える超インフレ。デットヒートを繰り広げた「板前寿司」は、「さすが高すぎる。来年からはもう参加しない」と撤退宣言した。