離合集散の中で急ごしらえ立ち上げた拙速のツケが回ってきた。嘉田由紀子代表(滋賀県知事)が「卒原発」を掲げて立ち上げた日本未来の党が結党1か月で分裂が避けられない事態に陥っている。衆院選有権者が比例区で「未来」に投票したのは342万票。事実上の「死に票」になってしまった。
亀井静香も離党「未来の党には未来がない」
ことの起こりは嘉田が提案した阿部知子副代表を共同代表に格上げする案だった。これに小沢一郎グループが反発し、小沢側から出た分党の提案を嘉田が受け入れたという。衆院選で当選した9人のうち、小選挙区で当選したのは小沢と亀井静香の2人だけ。亀井も「未来の党に未来はない」と離党を表明しており、比例区で当選した残り7人のうち小沢グループ6人が分党すれば、残りは副代表の阿部ひとりになる。
嘉田は「代表としては、責任ある人事をしたいということで提案したが、その人事ができなかったことが一番の原因」という。渦中の阿部は「成田離婚、ハッハッハッ。私たちは未来の党で、もう一つは過去の党といって怒られましたけども…」と呑気なものだ。社民党を離党して「未来」に漂着した自らの過去はそっちのけ、これではうまくいくはずがない。
文
モンブラン| 似顔絵 池田マコト