あす26日(2012年12月)に発足する第2次安倍内閣の人事がほぼ固まった。主要閣僚のうち、外務、防衛、農水などがまだ決まっていないが、経産相には茂木敏充元政調会長、厚労相に田村憲久元総務副大臣の起用が内定した。「モーニングバード!」は2人の首相秘書官経験者に党・内閣人事のポイントを聞いた。
麻生副総理・菅官房長官とのトリオで閣内掌握
2006年の第1次安倍内閣は「お友達内閣」揶揄され、閣僚たちの放言や暴言、政治資金をめぐる不祥事も相次ぎ、任命責任を問われ、参院選にも惨敗してわずか1年で、体調不良を理由に辞職した。そのときの人事について、当時、秘書官だった井上義行はこう語る。
「前回はすべての火の粉が官邸、安倍首相に来てしまった。教訓としては『手柄は総理、失敗は自分に』。これができるかどうかだと思う」
小泉元首相の政務秘書官だった飯島勲も「お友達内閣が機能しなかったから揶揄された。機能すればやっぱりお友達同士っていいなになっていたはずだ」と語る。
では、そうした教訓が今回の第2次安倍内閣で生かされているかどうか。飯島は「前回の経験を踏まえて、2手、3手先をよんだ人事配置を考えているように見える」という。そのキーマンは「副総理・財務・金融担当相が内定している麻生元総理と官房長官が内定している菅義偉幹事長代理の2人だ」と見る。
「過去ずっと『俺がここの大臣だから人はとやかく言うな』が続いてきている。これでは機能しない。内閣の複合的な関係がうまく機能するかどうかは、首相を入れたこの3ポストが大事。さらに内閣がうまくいくかどうかは、内閣の土台となる官邸スタッフにかかっている。今回、今井さんという57年入省組のエリート官僚が政治秘書、首席秘書官になる」
今井尚哉元資源エネルギー庁次官は第1次安倍内閣のときに首相秘書官を務めた。さらに、参与として元外務事務次官の谷内正太郎、米エール大名誉教授の浜田宏一という布陣だ。
議員定数削減、身を切る改革には後ろ向きか
政治アナリストの伊藤惇夫は「バランス、能力、適格性を重視した人選が行われており,前回の失敗を学習している。ひと言いえば、圧倒的に世襲が多い。閣僚の6~7割が世襲になるのではないか。割合からすると異常だ」とチクリ。宮田佳代子(元テレビ朝日ニュースキャスター)は「スケジュールを見ると、選挙前に言っていた議員定数削減とか、身を切る改革ができるか心配ですよ」お話す。これに伊藤は「おそらくやらないと思う。来年の参院選までの日程に中で定数削減は技術上も難しい」