韓国の国民が選択したのは女性だった。19日(2012年12月)に行われた韓国大統領選は大接戦の末、与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)氏が(60)が野党民主統合党の文在寅(ムン・ジェイン)氏(59)を破り、韓国で初めての女性大統領が誕生することが決まった。冷え込んでいる日韓関係はどうなるのか。
母も父も暗殺され自身も重傷…「信念曲げないカリスマ」
朴は朴正煕(パク・チョンヒ)元大統領の長女で、22歳のとき父を狙った凶弾で母親を失い、ファーストレディーとして父を支えたが、その父も5年後に暗殺された。1998年に国会議員に初当選したが、自身も遊説中に暴漢に襲われ顔面に重傷を負った。波乱に富んだ半生を歩み、韓国の「カリスマ」といわれ、信念を曲げない姿勢は伝統的な保守層を中心に根強い支持がある。
司会のみのもんたが聞く。「韓国の国民は何を選んだのでしょうか」
コメンテーターの北川正恭(早稲田大学大学院教授)は即座に答えた。「女性です。時代を画する出来事だと思います。韓国はひと皮むけた」
小松成美(ノンフィクション作家)は「朴槿恵さんを初めて知ったのは2004年、韓国のジャンヌ・ダルクといわれていたころでした。父母ともに暗殺され、穏やかな表情とは裏腹に壮絶な人生を背負っている。どんな大統領になるのか注目したいですね」と話す。
日本との関係について、金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)は「次期首相の安倍(晋三)さんが官房長官時代に会談している。面識もあるので、隣国のパートナーとしてはやりやすいのではないか」と見る。北川も「選挙は場面転換のチャンスです。大人の落ち着いた関係になることを期待したい」と語る。