中国中央テレビが「2012年12月21日についてのニュースです。世界が滅びるという噂が笑い事ではすまされなくなってきました」と、各地での異常な出来事を伝えた。12月21日は古代マヤ暦が終わるとされる日で、騒動は中国だけではなかった。
トルコで600人の村に6万人殺到、ロシアの刑務所脱獄騒ぎ
河南省では「滅亡説」でおかしくなった男が小学校で刃物を振り回し、児童20人以上がけがをした。当局はデマを広めたとして宗教団体のメンバーら101人を逮捕したと新華社が伝えた。中国ではネットでも「世界の終わりが来る。怖い、怖い」「上司に辞表を出した」などという書き込みがあふれている。
この日を休みにする企業もあり、さらに防護服、非常食、避難用の靴が売られたり、ろうそくの買い占めがあったり、豪華避難所と称する球体のカプセルまで作られていた。もとは大地震対策用だが、滅亡説で問い合わせが増えているそうだ。
フランスでは宇宙船が山頂に現れ、安全なところへ運んでくれるという噂が流れたり、トルコでは神聖なエネルギーが宿るという人口600人の村に6万人が殺到、ロシアの刑務所では女性受刑者が精神疾患を起こしたり脱獄の動きがあったりしている。他にも イタリア、メキシコ、チリ、オーストラリアで騒動があった。
アメリカ政府までが公式HPで「ただの噂にすぎない」と異例のメッセージを出した。また、NASA(航空宇宙局) は問い合わせが殺到したため、否定する動画を作ったという。動画は自動車のメーターを示して「暦が一巡すれば、またゼロから始まる」と説明している。
「5126年周期の循環暦」曲解して終末予言ねつ造
紀元前のメキシコ、グアテマラに栄えたマヤ文明は天文観測に優 れ、そこからいくつもの暦を作り出した。そのひとつが5126年の周期を持つ循環暦になっている。茨城大の青山和夫教授似よると、紀元前3114年8月11日から数え始め、今年12月21日にそれが一巡する。「暦が終わるだけなのだが、それを世界が終わると曲解して『終末予言』がねつ造されたということ」という。
司会の加藤浩次「ちょっと前にもノストラダムスってのがあった」
宮崎哲弥(評論家)は「ポピュラーじゃないが、本屋の精神世界のコーナーへ行くと、マヤ暦の本や滅亡説なんか結構ある。中国やロシア、ヨーロッパで終末論が広がるのは、現状への不満からです。リセットしたいという願望で、昔の中国の白蓮教や太平天国の乱、ロシアの千年王国思想、近くはオウムなんかもそれにあたる」という。
大沢あかね(タレント)「世界が滅亡するのにカプセルなんてねぇ」
キャスターのテリー伊藤「中国では貧富の差と不満がこれに出ている。政府はこれを機に宗教団体を抑え込もうとしているんでしょう」
まあ、ノストラダムスにくらべれば、マヤ暦はれっきとした科学といってもいいくらいだが、5000年後の人間の方が非科学とは、何とも皮肉である。