安倍晋三・自民党総裁はオバマ米国大統領と電話で話し、財界幹部と会合、白川日銀総裁と会談、公明党・山口代表と党首会談、その合間に励ます会のはしごと大忙しだ。支持が広がっての自民圧勝という選挙ではなかったから、とにかく支持率が高いうちにいろいろと手を付けておかなければならないということなのだろう。
オバマ大統領から電話「日米同盟関係を念押し」
「けさの顔」コーナーで安倍・オバマ電話会談に触れ、司会のみのもんたが「会談時間は十数分と言われていますが、この中で日米同盟の重要性を再確認したようです」と伝えると、コメンテーターの慶応大教授の片山善博は「あの電話はこちら掛けたのではなく、先方からかかってきた電話でした」と説明する。
みの「オバマさんの方から掛かってきたのですか」
片山「新政権の外交方針を事前に示しておくというのは、いいことだと思いますよ」
これをオバマが安倍を評価していると見るか、早々と釘を刺されたと見るか微妙なところだろう。
デフレ要因に「高齢化社会」「安い中国製品の流入」
みの「安倍総裁はデフレからの脱却、物価を2%上げると話していますが、僕はこの話が出ると、『どうやって?』と必ず聞くことにしています。掛け声はいいが、その具体的方法論が見えてこない」
片山「通貨を増やして市場に流通させれば、モノの価値が上がる。それで物価を上げていこうという計画です」
逢坂ユリ(資産運用コンサルタント)は「国債を発行すれば成長に繋がる。現に自民党銘柄と呼ばれる金融や不動産株は動き始めている。でも、これでデフレから抜け出せるかといえばちょっと疑問。デフレ要因として、日本の高齢化による購買能力の低下や中国から安いものがどっと入ってきているがあるからです。こうした問題とどう向き合うかがなければ、一時的な対症療法にしかならない」
それにしても、いつの間にか安倍も新聞・テレビも「インフレターゲット」という言葉を使わず、「物価目標」などというようになった。インフレという言葉に悪いイメージがあるからだろうが、国債増発で国の借金が増えるだけでなく、長期金利上昇で国債の利払いが増加し財政がいよいよ逼迫すれば、景気は逆に冷え込むリスクをだれも指摘しないのが不思議だ。