中国国海洋局所属の航空機(プロペラ機)が13日午前11時過ぎ(2012年12月)、尖閣諸島周辺の日本の領空を侵犯した。今や常態化している領海侵犯に加え、中国機による領空侵犯は初めてという。
F15戦闘機・E2C早期警戒機の到着は飛び去った後
中国機を発見したのは海上保安庁の巡視船だ。4隻の巡視船が領海侵犯してきた中国の監視船4隻に並走しながら警戒していたところ、魚釣島15キロ南の日本の領空を低空飛行で接近してきた中国機を発見した。無線で領空から出るように通告したのに対し、中国機は「ここは中国の領土だ」と反論し、6分後に北東方向に飛び去ったという。
この中国機の領空侵犯を自衛隊のレーダーは捕捉できなかった。海保からの通報でF15戦闘機8機とE2C早期警戒機1機が発進したが、現場上空に到着した時はすでに飛び去った後だった。
なぜ警戒態勢に盲点があったのか。領海の外側には防空識別圏が設定され常時レーダーで監視している。海保によると、中国機は異例の低空飛行で接近してきたため自衛隊のレーダーでは捕捉できなかったとしている。
記者会見した岩崎統合幕僚長は、「空が『アナ』だというメッセージになってしまったが」と質問されると、「固定レーダーは沖縄の限られたところにしかない。(その不備な部分を)早期警戒機で捉えていかなければいかない。今後はこういうことが起きないような対策をしていきたい」と語った。
国有化強行した野田外交音痴のツケ
海保がまとめた中国監視船の領海侵犯数は、8月はゼロだったのが、日本が国有化した9月11日から一気に増えた。その9月は4件25隻、10月は5件19隻、11月は4件15隻、12月は4件17隻、そして航空機による領空侵犯へエスカレートしており、野田首相の国有化断行がいかに中国を挑発したかが分かる。日華事変の中国側記念日に急ぐ必要のない国有化を行った。野田の外交音痴は隠しようがない。
元共同通信記者の田中宇氏は「もともと『国有化はしないで欲しい』と中国が言っているのにあえて挑発してやった。領空侵犯がこれから常態化するのではないか。今回はプロペラ機だったが、戦闘機になるかもしれない。
1970年代にアメリカが腰を引いたスキに中国はベトナムから島を取っている。今回も財政難でアメリカが弱腰でいるスキに攻勢をかけている」