「獄中自殺」年間15件前後。WHO統計では女性収監者は男性の2倍
そもそも、そばに寝ている者がいるのに自殺することは可能なのか。元東京都監察医務院長の上野正彦氏は「『自絞死』といって、自分で首を絞めて死ぬというケースはあります。布団をかぶってみんなが寝ている時に行えば音を立てずに死ねる可能性もあるでしょう。四六時中監視していれば発見できるかもしれないが…」といっている。
この問題は「けさ単!」コーナーでも取り上げた。それによると、日本での獄中自殺は年間15件前後あり、世界的には少ない方だという。WHO(世界保健機関)は「自殺予防 刑務官のための手引き」を出しているが、自殺は収監者の死因として最も多いのだそうだ。審判前の短期拘留施設入所者の自殺率は一般社会の10倍、判決後の受刑者収容施設では3倍。また、自殺を企てる自殺企図率では女性収監者は男性の2倍という数字もある。
自殺が十分予想されていたのに、それを許した今回の対応は失態というほかない。
文
一ツ石