「解体されているなんて…、誰ですか、そんなこと言ったのは」と司会のみのもんたが憮然とした表情で語る。北朝鮮はきのう12日(2012年12月)、長距離弾道ミサイル発射を強行した。ミサイルは予告通りのルートで飛び、衛星は軌道に乗った模様だ。北朝鮮は「100点満点」と自賛、韓国では「わが国の虚をついた奇襲の発射だ」と当惑を隠せない。
金日成時代から直接攻撃が悲願
みの「衛星は軌道に乗り、地球を回っている。こっちの方が問題だ」
大陸間弾道ミサイル(ICBM)として使用した場合はアメリカ本土に届くとみられ、核兵器の搭載が可能になれば世界の脅威になる。金井辰樹(東京新聞・中日新聞政治部次長)は「軌道に乗った物体が本当に衛星なのかどうかまだわからないが、北朝鮮の目的はアメリカまで核を積んだミサイルが届くというところまで持っていきたいのだろうから、今後は核実験に至る可能性が高い。それはやってはいけないと、国際社会全体でプレッシャーをかけ続けなければならない」と言う。
北朝鮮は06年、09年のミサイル実験後にいずれも核実験をおこなっている。次の一手はなにか、「8時またぎ」コーナーで2人の専門家に聞いた。軍事ジャーナリストの黒井文太郎氏は「朝鮮戦争が終わったころから、アメリカに届く核ミサイルを持ちたいというのが北朝鮮の強い決意です。宇宙開発という名目でミサイルをつくるスケジュールが着々と進んでいる」とみる。コリア国際研究所の朴斗鎮所長も「1968年に金日成主席が朝鮮戦争でなぜ勝てなかったか、その最大の理由はアメリカ本土を攻撃できる武器がなかったからだと言っています。そこから始まっている。韓国は今回、ミサイル技術の面でも情報戦でも負けたということでショックは相当大きい」
経済制裁強まればいよいよ核武装―暴走国に手を焼く国連安保理
今後の対応について、北川正恭(早稲田大学大学院教授)は「国連安保理は非難声明を出したが、金融制裁など具体的なやり方で実質のある制裁をしなければならない」と述べ、小松成美(ノンフィクション作家)も「国際社会を欺いた対価を払ってもらわなければならない」というが、黒井は「制裁を強めると、(北朝鮮は)無理難題を押し付けてきているという論を立てて、核実験へつなげる布石となる恐れがある」と指摘する。朴も「非常に忍耐力がいるというのが北朝鮮との関わり方です」と北朝鮮との付き合い方の難しさを語る。
危険なうえに、途方もなく厄介な隣人を持ったものだ。